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特集 地域医療の現状と将来展望
産科・周産期医療の現状と将来展望
著者: 池ノ上克1
所属機関: 1宮崎大学医学部附属病院
ページ範囲:P.276 - P.278
文献購入ページに移動約50年前のわが国の妊産婦死亡率や周産期死亡率は高く,先進諸国に比して,産科・周産期医療は決して良好とは言えない状態にあった.しかしこの50年の間,医師,助産師や看護師を始め,母子保健に関わる多くの専門職の努力と,わが国の社会経済や福祉の発展によって,母児の死亡率は大幅に改善され,先進諸国の中でも優れた結果が得られるようになった.
しかし一方では,世界トップレベルの医療が展開されているにもかかわらず,日本の産科・周産期医療の危機が叫ばれ,社会的な問題となっている.人々が安心して産科・周産期医療を受け,医療者も安心して医療を提供できるようになるためには,社会全体がバランスのとれた成熟したものになる必要があり,併せて,医療体制の改善と医療に関わる人々の職業人としての質を高く保つことが求められる.
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