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特集 地域医療の現状と将来展望
地域医療における保健所の役割
著者: 惠上博文1
所属機関: 1山口県宇部環境保健所
ページ範囲:P.292 - P.297
文献購入ページに移動近年,地域医療においては,平成16(2004)年度からの医師臨床研修制度の見直しを始め,国立大学の法人化,診療報酬の減額改定,公立病院の改革,受療意識の変化等が複合的な要因となって,全国的な医師不足が発生し,診療体制が縮小するなど深刻な状況に直面している.
このため,関係省庁・都道府県においては,平成18(2006)年度から総合的・緊急的な医師確保対策に着手するとともに,平成21(2009)年度からは特に解決すべき深刻な課題に直面している二次保健医療圏域(以下「二次圏域」)を対象として,地域医療再生計画1)を推進している.
こうした中,地域の公衆衛生の専門機関である保健所においては,これまで深刻な状況に直面している診療科・病院・地域を中心にして,地域医療を確保するための関与を求める期待に応えて,企画・調整機能などを発揮し,大きな役割を果たしていると認識している2~5).
そこで,本稿においては,地域保健総合推進事業(事業者:財団法人日本公衆衛生協会,協力者:全国保健所長会)として,筆者等が分担事業者を務めている実践的な研究事業の成果も活用しながら,地域医療への保健所の関与について,医療計画および医療連携を中心として,経緯,役割,現状,課題,展望等を述べる.
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