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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻5号

2012年05月発行

文献概要

連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ─新しい仕組みをつくろう・2

現代日本の長時間過重労働の実態とその背景

著者: 森岡孝二1

所属機関: 1関西大学経済学部

ページ範囲:P.402 - P.405

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 2012年2月21日の報道によれば,神奈川労働局は4年前に大手居酒屋チェーン「和民」で働いていた森美菜さん(当時26歳)の自殺を,過重労働による労災であると認定した.

 NHKニュースが労災認定の決定書から伝えるところでは,森さんは2008年4月に入社し,横須賀市の店に配属されて調理を担当していたが,最長で連続7日間に及ぶ朝5時までの深夜勤務を含む長時間労働や,休日のボランティア研修などが重なって精神障害となり,入社約2か月後に自殺した.2か月間の時間外労働(残業)は227時間だった.

参考文献

1) 厚生労働省:脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書,2001
2) 細川汀:かけがえのない生命よ――労災職業病・日本縦断.文理閣,1999.上畑鉄之丞:過労死の研究,日本プランニングセンター,1993
3) 細川汀,上畑鉄之丞,田尻俊一郎:過労死――脳・心臓系疾病の業務上認定と予防.労働経済社,1982
4) 警察庁:自殺の概要資料.2007年および2010年版.森岡孝二:就職とは何か――〈まともな働き方〉の条件.岩波新書,2011
5) 西川真規子:仕事と生活の関連性――各就労形態の労働時間の特徴および夫婦の役割行動との関係において.労働政策研究・研修機構(編):仕事と生活――体系的両立支援の構築に向けて,第2章.2007年4月
6) 森岡孝二:働きすぎの時代.岩波新書,2005
7) エクスペディアレポート:有給休暇調査,2010
8) 厚生労働省:平成22年就労条件総合調査

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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