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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻6号

2012年06月発行

文献概要

沈思黙考

「特定健診・保健指導のあり方検討会」にて

著者: 林謙治1

所属機関: 1国立保健医療科学院

ページ範囲:P.461 - P.461

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 健康日本21の最終評価を受けて,今後の健康政策につながるNext Plan策定との関連で,平成23年度に多くの政府委員会が立ち上がった.私が参加したいくつかの委員会においても白熱した議論が戦わされたが,このなかでも「特定健診・保健指導のあり方検討会」では,公衆衛生と臨床医学のスタンスの違いがくっきり表れ,印象深い委員会の1つであった.

 大きな論点の1つは従前同様,腹囲測定を健診のEntry Pointにするかどうかである.多くの臨床家はメタボ症候群を発見することが目的であるので,従前通りでよいとの意見であった.それに対して,肥満者より少数かもしれないが痩せた人でもメタボ症候群が発見されるので,腹囲測定もしくはBMIを健診のEntry Pointとした場合,このグループは最初から健診対象とならず,まして保健指導の対象となることもないという反論である.ここで問題となるのは,痩せた人のメタボ症候群になるリスクはなにか判然としないところがある.喫煙や高血圧という説もあるようであるが,高血圧はそもそもメタボ症候群の症状の1つである.生活習慣に関連しない遺伝素因によるメタボ症候群の発現があるかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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