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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻9号

2012年09月発行

文献概要

特集 独居高齢者と健康

独居高齢者の閉じこもり―その要因と支援

著者: 古田加代子1

所属機関: 1愛知県立大学看護学部

ページ範囲:P.689 - P.692

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はじめに

 2010年に全人口に占める高齢者の割合が22.5%となり,超高齢化社会を迎えたわが国においては,高齢者の健康寿命を延ばし,介護を必要とする高齢者の増加に歯止めをかけることが,最も重要で喫緊の課題となっている.

 高齢者の「閉じこもり」という概念は,1980年代に竹内1)によって,狭小化した屋内にこもり活動性が低下することで,寝たきりや認知症を生むとの問題性が指摘されたことをきっかけに注目を集めることになった.1990年代後半から研究が積み重ねられ,閉じこもり高齢者の実態が明らかになりつつあるが,独居高齢者に限った研究は多くはない.

 本稿では独居閉じこもり高齢者の実態を中心に,閉じこもり高齢者への対応方法などを考えてみたい.

参考文献

1) 竹内孝仁:老人保健の基本と展開.医学書院,1984
2) 新開省二:ヘルスアセスメントマニュアル.厚生科学研究所,2000
3) 渡辺美鈴,他:基本的日常生活動作の自立している地域高齢者の閉じこもり状態像とその関連要因.大阪医科大学雑誌62(2・3):1-9, 2003
4) 藤田幸司,他:地域在宅高齢者の外出頻度別にみた身体・心理・社会的特徴.日本公衛誌51(3):168-180, 2004
5) 山崎幸子,他:都市部在住高齢者における閉じこもりの家族および社会関係の特徴.日保学誌11(1):20-27, 2008
6) 近藤直司:非精神病性ひきこもりの現在.臨床精神医学26(9):1159-1167, 1997
7) 藺牟田洋美,他:地域高齢者における「閉じこもり」の有病率ならびに身体・心理・社会的特徴と移動能力の変化.日本公衛誌45(9):883-892, 1998
8) 新開省二,他:地域高齢者におけるタイプ別閉じこもり発生の予測因子;2年間の調査研究から.日本公衛誌52(10):874-885, 2005
9) 古田加代子,他:在宅閉じこもり高齢者の支援方法に関する検討―回想法と運動指導を用いた効果.愛知県立大学看護学部紀要15:25-32, 2009
10) 古田加代子,他:在宅閉じこもり高齢者の現在の生活についての思いに関する質的研究.愛知県立看護大学紀要14:45-52, 2008
11) 鳩野洋子,他:地域高齢者の閉じこもりの状況とその背景要因の分析.日本地域看護学会誌3(1):26-31, 2001
12) 古田加代子,他:在宅高齢者の閉じこもりに関連する心理的要因の検討.日本老年看護学会誌10(1):5-16, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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