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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻1号

2013年01月発行

文献概要

視点

アフリカの結核対策―DOTS推進に向けて

著者: 徳永瑞子12

所属機関: 1上智大学総合人間科学部看護学部 2NGOアフリカ友の会

ページ範囲:P.2 - P.3

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 アフリカにおける結核対策は,最も重要な公衆衛生上の課題である.『WHO REPORT 2011, global tuberculosis control』によると,2010年の世界の結核罹患率は178(10万対)で,アフリカは332,世界のほぼ2倍である.アフリカの1990年の結核罹患率は331で,未だに20年前より高値である.特にサハラ以南のアフリカ諸国では,結核の罹患率,死亡率,有病率ともに極めて高い.アフリカ諸国は「ミレニアム開発目標」の達成に向けて努力をしているが,2015年までにHIV(ヒト免疫不全ウイルス)や結核に関しては,目標を達成することは不可能であると見込まれている.その理由は,アフリカ地域のHIVの蔓延で,結核とHIVの二重感染者が増加したためである.HIV感染者で最も多い日和見感染症は肺結核である.さらに,貧困と劣悪な環境が重なって周囲に二次感染を引き起こし,結核患者は増加した.

 アフリカの結核対策について,中央アフリカ共和国を例に述べたい.中央アフリカ共和国は,アフリカの中央部に位置し,周辺を6か国に囲まれた内陸国で,開発が遅れ産業も乏しい.国民総所得は470米ドル(ユニセフ子供白書,2011)で,世界の最貧国の1つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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