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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻1号

2013年01月発行

文献概要

資料

運動継続の支援方法としての携帯電話の利用可能性

著者: 岡本希1 中谷敏昭2 松﨑三十鈴3 菊川早苗3 岡野雅洋子3 永原理英3 車谷典男1

所属機関: 1奈良県立医科大学地域健康医学教室 2天理大学体育学部 3奈良県香芝市保健センター

ページ範囲:P.79 - P.83

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緒言

 市町村保健センターが地域住民を対象に行う運動プログラムの形式には,運動指導者と参加者との関係が対面式のものと非対面式のものとがある.前者は,週1,2回の頻度で,運動指導者の直接的な指導のもと,有酸素運動や柔軟運動,レジスタンストレーニングを実践する.後者は,運動適応の可否判断や適切な運動強度などの導入部分の指導後は,参加者個人で運動を継続するというものである.

 意欲継続の支援方法として,日記帳形式の記録表に運動内容を記入するという方法がよく使われる.非対面式のプログラムの場合,運動指導者がその記録表を確認する機会が少ないため,参加者が保健センターや運動指導者側から情報や助言を受けることが制限される.参加者が運動の実施状況を入力したり,保健センターからサーバーにアップロードされた情報を確認したりすることが可能な専用サイトがあれば,非対面式であっても,保健センターおよび運動指導者側と参加者間の双方向のやり取りが可能となる.

 本研究では,地域住民を対象に,支援方法として携帯電話からアクセス可能な専用サイトを利用した歩行主体の非対面式運動プログラム(以下,携帯電話利用型プログラム)を提供した.目的は,運動プログラムの体力への効果と継続率について,筆者らが以前同地域で実施した,非対面式の運動プログラム(支援方法として日記帳形式の記録表を利用)1)の効果と比較することで,支援方法としての携帯電話の利用可能性を検証することであった.

参考文献

1) Okamoto N, et al.:Home-based walking improves cardiopulmonary function and health-related QOL in community-dwelling adults. Int J Sports Med 28:1040-1045, 2007
2) 日本体力医学会体力科学編集委員会(監訳):運動処方の指針.pp21-32,南江堂,2001
3) Karvonen MJ, et al.:The effects of training on heart rate;a longitudinal study. Ann Med Exper Fenn 35:307-315,1957
4) 木村みさか,他:高齢者のための簡便な持久力評価法の提案―シャトル・スタミナ・ウォークテストの有用性について.体力科学47:401-410, 1998
5) 中谷敏昭,他:30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30テスト)成績の加齢変化と標準値の作成.臨床スポーツ医学20(3):349-355, 2003
6) Okamoto N, et al.:Increasing the number of steps walked each day improves physical fitness in Japanese community-dwelling adults. Int J Sports Med 31:277-282, 2010
7) 久保田晃生,他:携帯電話のメール機能を活用した健康教育プログラムの開発と有効性の検討.日本公衛誌51(10):862-873, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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