文献詳細
文献概要
特集 日常生活とアレルギー
身近に潜む金属アレルギーへの対応法―歯科の立場から
著者: 松村光明1 岡本寛之2
所属機関: 1東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科アレルギー外来 2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 摂食機能保存学分野
ページ範囲:P.826 - P.832
文献購入ページに移動現代の日本では,人口の約2~3割前後が何らかのアレルギーを有しているといわれており,日常生活の中で注意すべき疾患の1つである.日常生活が便利になればなるほど,さまざまな物質が世の中にあふれ,新たに化学合成されたものが異物として認知される機会が増えてくる.そのため,それらの物質に対して,生体は予期しないさまざまな反応を示すことになる.アレルギーとはその反応の1つである.
そもそも,アレルギーとは生体の有する免疫反応の1つであり,花粉や金属などの体外からの異物,または自己を異物と見なす生体防御反応である.特定の抗原が一度体内に侵入すると,それに対する抗体が作られ,同じ抗原が体内に再侵入してきた時にそれを迅速に排除する反応が起こる.通常は生体にとって有利に作用するはずのこのメカニズムが原因となり,生体が過剰に反応してしまうことにより,逆に有害な反応を起こし,場合によっては体に重篤な障害を引き起こしてしまうことがある.
掲載誌情報