文献詳細
文献概要
特集 院内感染対策
院内感染対策の実際と医療機関間の連携
著者: 岩田敏12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部感染症学教室 2慶應義塾大学病院感染制御センター
ページ範囲:P.887 - P.892
文献購入ページに移動多種多様な部門が,統一された基準で実践的な院内感染対策を行っていくためには,組織的な活動と,活動を実践していくのに必要な体制を整備することが重要である.感染管理担当者個人の努力のみでは十分な院内感染対策を行っていくことは難しく,全病院的に効率よく感染をコントロールするためには,担当の医師,看護師,薬剤師,検査技師,事務職員がチームで活動し,その活動内容が,病院幹部に理解され,各部署に伝達され,実施されていかなければならないからである.
病院内で感染のコントロールを行っていく部署は,感染対策室,感染制御部(科)などさまざまな名称で呼ばれているが,その機能としては,大きく2つに分けられると思われる.すなわち,感染対策と感染症診療支援の2つである.この2つの機能は,感染制御のための車の両輪と考えられるが,施設によって院内感染対策は感染対策室,感染症診療支援は感染症科といったように別々の部署が担当している場合もあれば,同じ部署で両方に対応している場合もある.例えば私どもの慶應義塾大学病院では,感染制御センターとして,院内感染対策と感染症診療支援の両方の機能を担っている.
参考文献
掲載誌情報