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特集 がん対策の強化 「がん対策推進基本計画」の重点課題への対応
地域がん登録の現状と新たな展開
著者: 柴田亜希子1
所属機関: 1国立がん研究センターがん対策情報センターがん統計研究部
ページ範囲:P.973 - P.977
文献購入ページに移動地域がん登録の定義は,「人口単位,すなわち一定地域に居住する人に発生するがんの登録」である1).英語ではregional cancer registryとも表記されるが,その実態はpopulation-based cancer registryのほうが端的に表している.登録から得られる基本的な成果は,疫学の基本である,人,場所,時間を単位とするがんという疾病の発生率(罹患率)の統計である.地域がん登録が国際的に開始された1940~1950年代当初の機能が罹患統計の提供であったものの,登録された患者の生存率まで計測することで,当該地域における一次予防,早期診断,治療などに関する住民サービスの効果を検証する機能まで,段階的に拡大してきている1).日本においても地域がん登録資料は,検診の精度管理や病院規模と治療効果の関係などの分析に多数利用されていることが,NPO法人地域がん登録全国協議会のホームページ(http://www.jacr.info/about/yakudatsu.php)で「がん登録が役立った例」として紹介されている.
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