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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻12号

2013年12月発行

文献概要

視点

人獣共通感染症対策に貢献する獣医学

著者: 大槻公一123

所属機関: 1京都産業大学 2鳥インフルエンザ研究センター 3鳥取大学

ページ範囲:P.944 - P.945

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人獣共通感染症の重要性

 私は35年間にわたって獣医学教育,研究に携わってきました.獣医学教育においても,公衆衛生学の講義および実習は主要な科目として課せられています.この科目は通常,「獣医公衆衛生学」と称します.獣医公衆衛生学は,人獣共通感染症学,食品衛生学および環境衛生学を大きな柱としています.この中で,「人獣共通感染症学」が獣医学教育の特徴的な分野です.

 公衆衛生学を対物衛生と対人衛生の分野に分けるならば,獣医公衆衛生学は,対物衛生に入ると認識されてきました.確かに,食品衛生学と環境衛生学は明らかにその範疇に入ります.「人獣共通感染症学」も,感染症を人からではなく動物側から主として追究することから,最終的には対人衛生でしょうが,対物衛生の面に重きを置いています.しかし,人獣共通感染症を,対人衛生あるいは対物衛生のみの分野と割り切ってしまうと不都合が生じ,それだけでは根本的な疾病対策を立てることが不可能です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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