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特集 慢性腎臓病~CKD
CKDと心血管疾患の関連性―国内コホート研究の成果から
著者: 二宮利治1 清原裕2
所属機関: 1九州大学病院腎・高血圧・脳血管内科 2九州大学大学院医学研究院環境医学分野
ページ範囲:P.203 - P.206
文献購入ページに移動近年,海外の疫学研究より,末期腎不全のような高度に進行した腎障害を有する者のみならず,中等度の腎機能低下や蛋白尿を有する者において,心血管病を発症するリスクが上昇することが報告されている1).この事実を踏まえ,米国腎臓財団は,3か月以上にわたり蛋白尿などの形態学的あるいは器質的な腎障害が持続しているか,糸球体濾過量(glomerular filtration rate:以下GFR)が60ml/分/1.73m2未満に低下している状態を慢性腎臓病(chronic kidney disease:以下CKD)と定義し,全世界的規模でその対策を推奨している2).わが国の大規模疫学調査の成績によると,CKDの罹患者数は約1,300万人と推定されており3),わが国においてもCKD対策の必要性が高まっている.
本稿では,福岡県久山町で長年にわたり継続している心血管病の疫学調査(久山町研究)の成績4),およびわが国の既存のコホート研究から提供された個々の対象者レベルでのデータを用いて行った大規模統合研究であるJapan Arteriosclerosis Longitudinal Study-Existing Cohorts Combine(JALS-ECC)研究5)の成績を中心に,CKDが心血管病発症に及ぼす影響を検証する.
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