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特集 転換期の結核対策―医療と予防 地域の結核医療
②東京都の結核医療体制の現状と課題
著者: 吉田道彦1
所属機関: 1東京都福祉保健局健康安全部感染症対策課
ページ範囲:P.278 - P.281
文献購入ページに移動近年,わが国の結核患者数は大きく減少し,低まん延化も視野に入ってきた1,2).一方,わが国の結核患者は高齢者,ホームレスなどの社会経済弱者,結核高まん延国出身の外国人および都市部に偏在しており,従来は長期間の入院を必要とした結核医療も,短期化学療法の導入による入院期間の短縮と,地域DOTS(Directly Observed Treatment, Short-course)による患者支援を通じた外来治療へと,変化してきている2,3).また,合併症を有する結核や服薬継続困難例では,排菌停止後の医療の確保が課題となっており,多剤耐性結核(multidrug-resistant tuberculosis:以下,MDR-TB)では,専門医療の確保も重要な課題である4,5).
本稿では,都市部の対策として東京都の結核の状況や医療体制について述べると共に,今後の結核医療の課題と展望について触れる.
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