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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 転換期の結核対策―医療と予防 地域の結核医療

②東京都の結核医療体制の現状と課題

著者: 吉田道彦1

所属機関: 1東京都福祉保健局健康安全部感染症対策課

ページ範囲:P.278 - P.281

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はじめに

 近年,わが国の結核患者数は大きく減少し,低まん延化も視野に入ってきた1,2).一方,わが国の結核患者は高齢者,ホームレスなどの社会経済弱者,結核高まん延国出身の外国人および都市部に偏在しており,従来は長期間の入院を必要とした結核医療も,短期化学療法の導入による入院期間の短縮と,地域DOTS(Directly Observed Treatment, Short-course)による患者支援を通じた外来治療へと,変化してきている2,3).また,合併症を有する結核や服薬継続困難例では,排菌停止後の医療の確保が課題となっており,多剤耐性結核(multidrug-resistant tuberculosis:以下,MDR-TB)では,専門医療の確保も重要な課題である4,5)

 本稿では,都市部の対策として東京都の結核の状況や医療体制について述べると共に,今後の結核医療の課題と展望について触れる.

参考文献

1) 四元秀毅,倉島篤行(編):結核up to date.南江堂,2005
2) 結核の統計2012.公益財団法人結核予防会,2012
3) 阿彦忠之:地方分権時代の結核対策.結核77(3):194, 2002
4) 四元秀毅:結核医療の経済学―結核病棟の今後.結核84(11):737-742, 2009
5) 三島文江,他:“退院に関する基準”の変更による当院結核患者在院日数の推移.結核85(3):151-154, 2010
6) 吉田道彦:入退院に関する最近の動向と今後必要な取組.結核88:2013 in press
7) 厚生労働省健康局結核感染症課長通知:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における結核患者の入退院及び就業制限の取扱いについて.2007
8) 重藤えり子:結核医療の課題;今後あるべき結核医療サービスの提供.結核85(2):104-106, 2010
9) 重藤えり子:今後の結核医療のあり方.結核85(12):861-867, 2010
10) 厚生労働省健康局結核感染症課長通知:結核に関する特定感染症予防指針の一部改正について.2011
11) Centers for Disease Control and Prevention:TB elimination goal not yet reached in US. MMWR 61:181-185, 2012
12) David Roth, et al.:TB in foreign born patients. BCMJ 54(8):387-388, 2012
13) 伊藤邦彦:米国における結核医療の総合病院への統合.結核85(7):615-630, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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