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特集 転換期の結核対策―医療と予防
外国人結核患者の動向と結核医療の課題
著者: 藤山理世12
所属機関: 1神戸市中央区保健福祉部 2神戸市保健所
ページ範囲:P.292 - P.296
文献購入ページに移動神戸市は兵庫県の南東部に位置して北に六甲山を有し,南は瀬戸内海・大阪湾に面している.8世紀「大輪田の泊」として知られていた頃より,港があり貿易を行ってきたことから,外国人居留地,北野異人館,南京町などあり,古くから外国人も多数居住している.2011年2月1日現在,神戸市の人口1,544,284人に対し,外国人登録者数※は44,214人,2.86%で,政令指定都市間では,大阪市(2009年3月31日現在4.58%),浜松市(2008年12月31日現在4.12%),名古屋市(2009年12月31日現在3.00%)に次いで高い割合である(※なお,外国人登録制度は2012年7月廃止され,新しい在留管理制度に移行した).
神戸市で外国人登録者の多い国は,韓国・朝鮮(約20,000人),中国(約15,000人),ベトナム(約1,500人),アメリカ,インド,フィリピン(各々1,000人以上)である.また,正規の大学および専修学校への留学生として登録されているのは,2010年11月1日現在3,172人であり,国別では中国2,335人,韓国209人,台湾103人,インドネシア,ベトナムが各65人,マレーシア,タイ,ネパール,モンゴルが各々約30人程度,その他90か国に及んでいる.いわゆる日本語学校等に所属する者はこれらには含まれておらず情報はないが,日本語学校生を含めても,中国人留学生が最も多いと推定される.このように外国人が比較的多い都市である神戸市の,外国人結核の動向と課題について述べる.
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