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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 転換期の結核対策―医療と予防

結核感染診断検査の原理とその検査の実施上の課題

著者: 原田登之12

所属機関: 1一般社団法人免疫診断研究所 2公益財団法人結核予防会結核研究所

ページ範囲:P.297 - P.301

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はじめに

 現在,日本を含む多くの先進国において,結核感染の診断法は,これまでのツベルクリン反応(ツ反)よりも診断能の高いInterferon-Gamma Release Assays(以下,IGRA)が推奨されている.IGRAは,BCG(結核予防ワクチン)やほとんどの非結核性抗酸菌は存在しない結核菌特異抗原で,エフェクターT細胞を刺激し,産生されるInterferon-Gamma(以下,IFN-γ)を測定することにより結核感染を診断するため,BCG接種やほとんどの非結核性抗酸菌感染の影響を受けずに,高特異度で結核感染を診断できる検査法である.

 IGRAには,QuantiFERON-TB Gold In-Tube(日本ではクォンティフェロン®TBゴールド,通称QFT-3G)と,T-SPOT. TB(日本ではT-スポット®TB,以下T-スポット)の2種類があり,IFN-γを検出する方法が異なっている.

 本稿では,両検査法の原理と,それぞれの実施上の課題について述べる.

参考文献

1) 財団法人結核予防会:改正感染症法に基づく結核の接触者健診の手引きとその解説.2007
2) Harada N, et al.:Comparison of two whole blood interferon-g assays in tuberculosis patients and healthy controls. J Infection 56:348-353, 2008
TBゴールド検体における再遠心の必要性について.結核86(3):405,2010
4) http://www.tspot-tb.jp/product/download/
5) Mazurek GH, et al.:Updated guidelines for using Interferon gamma release assays to detect Mycobacterium tuberculosis infection-United States, 2010. MMWR Recomm Rep 59(RR-5):1-25, 2010
6) 樋口一恵,原田登之,他:Interferon-gamma release assays(IGRA)の研究課題.結核84:173-186,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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