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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 転換期の結核対策―医療と予防

プライマリケアセンターを基盤とした結核センター構想―大阪市の「西成特区構想」

著者: 高鳥毛敏雄1

所属機関: 1関西大学社会安全学部

ページ範囲:P.306 - P.309

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はじめに

 大阪市は,平成24(2012)年6月「西成特区有識者座談会」を設け,平成25(2013)年度から5年程度かけて進める西成特区構想を,同年10月に報告書として取りまとめた.有識者座談会は,大阪市特別顧問(西成特区構想担当)の鈴木亘氏(学習院大学教授)を座長とし,西成区やあいりん地域に精通する各分野の7名の専門家で構成され,分担して西成特区構想の大方針,具体的施策案,および工程表案を示すことを目的として設置されたものである.その報告書の内容を具体的に施策化,予算化をするのが,西成区に設けられた西成特区構想プロジェクトチームである.この西成特区構想の中で,短期集中的に取り組む課題として結核問題が取り上げられた(図1).これは,西成区の結核罹患率は全国一高く,中でもあいりん地域はボツワナ,ザンビアなど,アフリカの最貧国並みの水準にあることからである1)

 本稿では,西成特区構想で取り上げられた結核対策の構想とはどのようなものかについて説明する.詳細は,「西成特区構想有識者座談会報告書のポイント」を参照していただきたい2)

参考文献

1) 高鳥毛敏雄,他:西成特区構想有識者座談会報告書 第9章 結核対策.西成区pp110-100, 2012(http://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000187/187570/09.pdf,2013年1月5日現在)
2) 鈴木亘:西成特区構想有識者座談会報告書のポイント.西成区,2012(http://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000187570.html,2013年1月5日現在)
3) 大阪市結核対策基本指針(平成13年2月).大阪市,2001
4) NPO HEALTH SUPPORT OSAKA設立年度事業報告書(2006年11月15日~2007年3月31日).NPOヘルスサポート大阪,2007
5) 高鳥毛敏雄:わが国の結核対策の現状と課題(9)結核対策の及ばない人々に対する対策―あいりん地区における実践活動から.日本公衛誌56(6):418-421,2009
6) 中田信昭,他:結核高罹患地域における医療施設外来受診者に対する結核検診の意義.結核82(5):455-458,2007
7) 第2次大阪市結核対策基本指針―「STOP結核」作戦.大阪市,2011
8) 加藤誠也,他:低蔓延状況下の結核医療体制.結核87(9):577-584,2012
9) 高鳥毛敏雄:低まん延国における結核対策の保健医療組織―米国,英国,ドイツ.結核84(2):94-96, 2009
10) 大阪府結核対策推進計画 平成24年3月.大阪府,2012
11) NPO HEALTH SUPPORT OSAKA平成23年度事業報告書(2011年4月1日~2012年3月31日),2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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