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禁煙・嫌煙権運動35年と今後の課題
著者: 渡辺文学123
所属機関: 1一般社団法人タバコ問題情報センター 2禁煙ジャーナル 3NPO法人日本禁煙学会
ページ範囲:P.266 - P.268
文献購入ページに移動1978年2月18日に旗揚げした「嫌煙権運動」が35年目を迎えた.当時,新幹線「こだま号」にたった1両の禁煙車しかなく,バス,タクシーはもちろん,病院の待合室に至るまで灰皿が置かれ,公共の場所,職場,野球場,劇場など,日本全国津々浦々,タバコの煙は“野放し”の状況だった.そのような社会情勢のなか,狭い事務室のタバコの煙に悩まされていたコピーライターの中田みどり氏が「タバコの煙は公害」という考え方で,「嫌煙権」を提唱したのである.
当時の社会背景として「日照権」や「静穏権」,「環境権」などがメディアに取り上げられており,言葉に敏感な中田氏が「タバコの煙を嫌う権利も…」ということから,「嫌煙権」を提唱したのである.1976年の暮れだった.その頃,中田氏と上司の藤巻和氏らの『公害の絵本』作りに協力していた私は,1日に60本以上も吸っていたヘビースモーカーだった.
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