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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻5号

2013年05月発行

文献概要

特集 若者の精神保健①

痩せ願望と摂食障害

著者: 切池信夫1

所属機関: 1浪速生野病院心身医療科

ページ範囲:P.385 - P.389

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はじめに

 神経性食思不振症(anorexia nervosa, AN)や神経性過食症(bulimia nervosa, BN)などの摂食障害は,思春期や青年期の女性に好発するが,最近では前思春期の児童から働く女性,既婚の女性と年齢層に広がりをみせて増加している.また病像も典型的な臨床像を示す例に加えて,診断基準の一部を満たさない非定型な病像を示す患者も増えている.

 摂食障害の発症機序はいまだ解明されておらず,身体的,心理的,社会的要因が相互に複雑に関連しあって生じると考えられている.そして現代において摂食障害が増えている大きな要因として痩せ願望や肥満恐怖などの心理的要因が挙げられている.

 そこで本稿ではまず摂食障害が世界的に増えている現状について紹介し,次いでわが国の若い女性のスリム化現象と摂食障害,臨床症状と身体合併症,精神障害の併存症,治療,経過や予後について概説する.

参考文献

1) 切池信夫:摂食障害の変遷,精神科治療学27:1259-1263,2012
2) 切池信夫,他:近年における若い女性のBody Mass Indexの低下について,臨床精神医学 25:611-617, 1996
3) 切池信夫:摂食障害 50年の流れと将来の展望,児童青年精医と近接領域 50:179-185, 2009
4) 切池信夫:摂食障害―食べない,食べられない,食べたら止まらない,第2版,第Ⅲ章病因と発症機序は複雑である,41-59,医学書院,2009
5) 切池信夫:摂食障害―食べない,食べられない,食べたら止まらない,第2版,第Ⅶ章,治療は難しい,151-206,医学書院,2009
6) 切池信夫:摂食障害―食べない,食べられない,食べたら止まらない,第2版,第Ⅷ章,予後,222-225,医学書院,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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