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連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ―新しい仕組みをつくろう・14
文献概要
ILO条約に代表される国際労働基準は,加盟国が批准し国内で適用していくという一般的義務を伴うものであるが,仕事における健康と安全についても多くの条約が古くから採択されていて,国はそれらを批准し,国内で適用していくという義務を負っている.1919年設立以来のILO原加盟国である日本としては,国際的義務の履行という意味において批准・適用していかなくてはならないと同時に,国内法の整備という観点からももっと多くの条約を取り込まなくてはいけない.ILO条約の批准があまり進んでいないことの理由の1つには,国際労働基準というものの持つ意味についての理解が十分でないことが挙げられる.国際的な義務であるということ,および国内法としても直接適用できるということが広く認識されるならば,さらに多くのILO条約が批准され,日本の労働条件は改善されることになろう.
参考文献
1) 吾郷眞一:国際経済社会法,三省堂,2005
2) 日本ILO協会(編):講座ILO(国際労働機関)―社会正義の実現を目指して(上・下巻)日本ILO協会,1999
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