公衆衛生77巻5号

2013年05月発行

連載 公衆衛生Up-To-Date・5 ［国立がん研究センター発信：その1］

がん診療連携拠点病院制度の見直しについて

著者： 若尾文彦¹

所属機関： ¹独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター

ページ範囲：P.409 - P.412

はじめに

　がん医療における地域間格差，病院間格差が問題となる中で，「がん患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状況に応じた適切ながん医療を受けることができるよう，専門的ながん医療の提供等をおこなう医療機関」として，がん診療連携拠点病院(以下，拠点病院)の整備が進められている．本稿では，その拠点病院制度のこれまでの経緯，現状の課題とともに，平成24(2012)年12月より開始された「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」における，拠点病院に関する議論などを紹介する．