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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 若者の精神保健②

自傷行為

著者: 松本俊彦12

所属機関: 1独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部診断治療開発研究室 2独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター

ページ範囲:P.430 - P.433

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はじめに

 リストカットに代表される自傷行為は,今や学校保健における主要な課題の1つとなっている.今日,刃物で故意に自らの体を傷つけるタイプの自傷行為に限っても,中学生・高校生の約1割(男子7.5%,女子12.1%)に自傷経験がある1).そして,中学校に勤務する養護教諭の96.3%,高校に勤務する養護教諭の99.0%が,自傷する生徒に対応した経験があり,そうした経験を持つ養護教諭の大半が,「どう対応してよいか分からない」と感じている1)

 本稿では,若者における自傷行為が持つ意味や自殺との関係,そして,予防のあり方について私見を述べさせていただきたい.

参考文献

1) 松本俊彦:自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち.日本評論社,2009
2) B・W・ウォルシュ(著),松本俊彦,他(訳):自傷行為治療ガイド.金剛出版,2007
3) Hawton K, et al:By Their Own Young Hand:Deliberate Self-harm and Suicidal Ideas in Adolescents. pp94-116, Jessica Kingsley Publisher, London, 2006
4) Coid J, et al:Raised plasma metenkephalin in patients who habitually mutilate themselves. Lancet 8349:545-546, 1983
5) A・R・ファヴァッツァ(著),松本俊彦(監訳):自傷の文化精神医学―包囲された身体.金剛出版,2009
6) Owens D, et al:Fatal and non-fatal repetition of self-harm. Systematic review. Br J Psychiatry 181:193-199, 2002
7) Jacobs D, et al:Signs of self-injury:ACT to prevent self-injury high school implementation guide and resources, Screening for Mental Health, Inc. and The Bridge of Central MA, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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