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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 若者の精神保健②

若者の違法薬物の使用実態の現状と行政の対応について

著者: 大貫奈穂美1

所属機関: 1東京都福祉保健局健康安全部

ページ範囲:P.438 - P.442

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はじめに

 平成23(2011)年秋以降,違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)による健康被害や摂取者による自動車事故などが増加し,大きな社会問題となっている.実店舗,およびネット販売を合わせた国内の違法ドラッグ販売店舗数は,平成23(2011)年度末に389店舗と報告されており1),大都市の繁華街のみならず郊外の住宅地へも店舗が進出している.

 従来,薬物乱用防止教育の対象となっていた薬物は,覚醒剤,大麻,麻薬,シンナーなど有機溶剤であった.しかし,この違法ドラッグ問題の拡大により,内閣府薬物乱用対策会議は,平成24(2012)年8月に「合法ハーブ等と称して販売される薬物に関する当面の乱用防止対策」として,第三次薬物乱用防止五か年戦略に「多様化する乱用薬物への対応」として示された基本方針に加えて,違法ドラッグに対する監視指導・取締りおよび予防啓発の強化を図ることとした2)

 本稿では,若者の違法薬物使用実態と行政の薬物乱用防止対策について,違法ドラッグを中心に概説する.

参考文献

1) 厚生労働省:薬物乱用の現状と対策.http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/pamphlet_04.pdf,平成24年10月
2) 薬物濫用対策推進会議:合法ハーブ等と称して販売される薬物に関する当面の乱用防止対策.http://www8.cao.go.jp/souki/drug/pdf/know/herb.pdfl,平成24年8月
3) 警察庁:平成24年中の薬物・銃器情勢.http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/yakujyuu/yakujyuul/h24_yakujyuu_jousei.pdf,平成25年4月
4) 和田清,他:飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査(2012年).平成24年度厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)分担報告書,平成25年3月
5) 黒木由美子,他:日本中毒情報センターで受診したいわゆる「合法ハーブ」による急性中毒に関する実態調査.中毒研究24(4):323-327,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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