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特別寄稿
未来図を描く公衆衛生活動in陸前高田①―震災から3年目本当の悲しみに公衆衛生は何ができるのか
著者: 佐々木亮平1 岩室紳也2
所属機関: 1岩手医科大学 いわて東北メディカル・メガバンク機構 臨床研究・疫学研究部門 2公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
ページ範囲:P.466 - P.470
文献購入ページに移動1.疲れがたまっている被災地
「2011.3.11」から2年が経過し,被災地は三回忌を迎えた.この2年間,多くの人がそれぞれの立場でできることを進め,そのおかげで被災地は一歩ずつではあるが,でも着実に復旧・復興し続け,前に進んできている.震災から1年の節目の時点で,「支援の終わり,協働の始まり」1)ということを感じ,事業を復旧させることを目的化しない,直接的な被災の有無や程度の差に関係なく地域全体にかかわることの大切さ,被災地の実情に合わせて一緒に進もうとする姿勢,待つ勇気を持つことの重要性を発信した.
一周忌は悲しみを振り返り,思いを共有する節目であった.しかし,陸前高田市(以下,現地もしくは被災地)に通い続けていると,明らかに1年目と2年目の節目の違いを感じる.地域全体が復興に向かって進んでいるのとは裏腹に地域全体が「ずいぶん疲れがたまっている」という印象を受けている.法要で一周忌,三回忌,七回忌といった節目に集うこと,そして特に三回忌が設定されていることの意味に学ぶ必要があると感じている.「災害を支える公衆衛生ネットワーク―東日本大震災からの復旧,復興に学ぶ」の連載は平成25(2013)年3月号でひと区切りとなったが,今後,四半期に1回程度のペースで3年目を迎えている陸前高田市の今を報告する.
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