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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻6号

2013年06月発行

文献概要

連載 この人に聞きたい!・3

抗加齢医学―アンチエイジングの基礎と臨床

著者: 白澤卓二1

所属機関: 1順天堂大学加齢制御医学講座

ページ範囲:P.478 - P.483

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抗加齢学とは何か

 今日の抗加齢医学の発展の源をたどれば,米国のアンチエイジング学会A4M(American Academy of Anti-Aging Medicine)の学会の流れから派生してきている.この米国のアンチエイジング医学学会は1990年代に盛んに行われた,成長ホルモン療法を軸にしたホルモン補充療法とサプリメントによる栄養療法を基軸に発展してきている.A4Mが,他の代替医療学会と違う点は,老化それ自体を病気と考えた点にある.したがって,病気を治療するのと同様の基準で老化そのものを治療対象とした点であった.

 一方,日本で行われている抗加齢医学は,老化を病気と考えていない.むしろ生理学的老化は病気ではなく,治療対象でないと考えた.高齢期に発症する病気は病理学的老化,あるいは病的老化ととらえて,治療対象と考えている点が米国の学会の流れと大きく異なる点である.

参考文献

1) 日本抗加齢医学会専門医・指導士認定委員会:アンチエイジング医学の基礎と臨床.メディカルビュー社,2008
2) Dai Q, et al:Fruit and vegetable juices and Alzheimer's disease:the Kame Project. Am J Med 119:751-759, 2006
3) Li CL, et al:Associations between the metabolic syndrome and its components, watching television and physical activity. Public Health 121:83-91, 2007
4) Yasunaga A, et al:Yearlong physical activity and health-related quality of life in older Japanese adults:the Nakanojo Study. J Aging Phys Act 14:288-301, 2006
5) van Praag H, et al:Running increases cell proliferation and neurogenesis in the adult mouse dentate gyrus. Nat Neurosci 2:266-270, 1999
6) Huttenlocher PR. Synapse elimination and plasticity in developing human cerebral cortex. Am J Ment Defic 88:488-496, 1984
7) Park BJ, et al. Physiological effects of Shinrin-yoku(taking in the atmosphere of the forest)―using salivary cortisol and cerebral activity as indicators. J Physiol Anthropol 26:123-128, 2007
8) 白澤卓二:百寿力.東京新聞出版局,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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