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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻6号

2013年06月発行

文献概要

連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ―新しい仕組みをつくろう・15

労働安全衛生体系と自主的改善

著者: 小木和孝1

所属機関: 1公益財団法人労働科学研究所

ページ範囲:P.485 - P.489

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 多様化する就労条件の下で過重労働や労働関連の死傷病が大きな社会問題となっている.この現状から,法体系を含む職域安全衛生の組織体制を見直す時期にある.とりわけ,小規模事業場・非正規雇用を含め働く全ての人の安全と健康に効果的に取り組む体制が重要である.その解決には,国際標準となっている労働安全衛生マネジメントシステムを推進しながら,安全と健康を切り離さずに労働者が参画して予防に力点を置く責任体制が欠かせない.そして過重労働・メンタルヘルスと職場環境にわたる就労条件を自主改善していく計画・実行手順をすべての職場で支援する職場保健サービスが求められる.関連ILO条約を批准して,自主的改善に労働者の参加を担保する枠組みに移行する必要がある.

参考文献

1) 小木和孝:産業安全保健領域の動向と良好実践.労働科学86:1-8, 2010
2) 吉川徹,小木和孝:労働安全衛生マネジメントシステム(OSH-MS)への寄与としての参加型ストレス予防活動の役割.産業ストレス研16:221-229, 2009
3) 小木和孝:海外の労働安全衛生への取り組みから見た日本の学術研究の方向性と課題.学術の動向15:54-58, 2010
4) 日本学術会議,労働雇用環境と働く人の生活・健康・安全委員会:提言「労働・雇用と安全衛生に関わるシステムの再構築を―働く人の健康で安寧な生活を確保するために」.日本学術会議,2011
5) ILO:労働安全衛生マネジメントシステム(OSH-MS).http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/downloads/2011osh-r.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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