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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生77巻7号

2013年07月発行

連載 この人に聞きたい!・4

子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)

著者: 道川武紘1 新田裕史1 川本俊弘1

所属機関: 1独立行政法人国立環境研究所環境健康研究センターエコチル調査コアセンター

ページ範囲:P.566 - P.569

文献概要

はじめに

 「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」とは,化学物質の曝露や生活環境が,胎児期から小児期にわたる子どもの健康にどのような影響を与えているのか明らかにし,化学物質などの適切なリスク管理体制の構築につなげることを目的として,環境省が主導している研究事業である.エコチル調査は,約10万人の母親(妊婦)とその父親をリクルートして,生まれてくる子どもが13歳になるまで追跡する計画(前向きコーホートデザイン)で,2011年1月から,同年8月以降に出産予定の母親のリクルートを開始した.

 筆者らは,研究実施機関である独立行政法人国立環境研究所に設置されたコアセンターに所属し,独立行政法人国立成育医療研究センターに設置されたメディカルサポートセンターから産科・小児科領域の専門的支援を受けながら,対象者のリクルートとその後の追跡を担当する全国15か所の調査拠点(大学医学部・医科大学などに置かれたユニットセンター)と協働して調査の実施に当たっている(図1は全国の調査地域と実施機関).本稿では,エコチル調査の経緯を含めて,概要と進捗状況をお伝えする.

参考文献

1) Wigle DT, et al:Epidemiologic evidence of relationships between reproductive and child health outcomes and environmental chemical contaminants. J Toxicol Environ Health. B Crit Rev 11:373-517, 2008
2) Landrigan PJ, et al:Children's health and the environment:public health issues and challenges for risk assessment. Environ Health Perspect 112:257-265, 2004
3) 長谷川学,他:小児環境保健疫学調査への取組―子どもの発育に影響を与える環境リスクを明らかにするために.日衛誌64:782-785, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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