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特集 血液事業のトピックス―身近な献血からiPS細胞の活用まで
わが国の血液事業の回顧と今後の展望
著者: 西本至1
所属機関: 1日本赤十字社血液事業本部
ページ範囲:P.608 - P.611
文献購入ページに移動わが国で本格的な血液事業が始まったのは,昭和27(1952)年に日本赤十字社(日赤)が広尾に血液銀行東京業務所を開設した時点とされている.むろんそれまでにもいわゆる生血・枕元輸血などが行われてはいたが決して組織的なものではなかった.またこれらの無秩序な輸血がもたらす梅毒感染などの弊害を防ぐために,GHQがいわば仲介役を務めて旧厚生省,東京都,日本医師会などの合意のもとに日本赤十字社に血液事業を担わせることにしたこともその理由の1つに挙げられよう.奇しくも昨年平成24(2012)年は血液事業が始まってちょうど60年目に当たり,人間でいえば還暦に相当する.そこで本稿では,これまでの血液事業の来し方を振り返り,併せて現存するいくつかの課題を検証しながら今後の展望について考察してみたい.
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