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特集 医療・介護の制度改革
医療・介護サービスの一体改革と地域包括ケア—柏プロジェクトを通して
著者: 辻哲夫1
所属機関: 1東京大学高齢社会総合研究機構
ページ範囲:P.847 - P.850
文献購入ページに移動日本においては世界に例のない高齢化が進んでいる.2030年には後期高齢者が人口の5分の1を占め,人類未曽有の社会となる.これまでは若死にとの戦いが医療の中心で,病院信仰とも表現されるように臓器別の専門医療を基本とする病院医療が中心の時代であったといえる.その結果,近年は若死には減り,高齢者の長命化が進み,多くの人々が長い高齢期を経て死に至るという社会となった.虚弱な人口が急速に増えているのである.
それは,医学医術の進歩の成果ともいえるが,一方において,都市部においては,病院が虚弱な高齢者を受け止めきれなくなることも危惧されている.今回の医療介護に関する一連の改革は,このような状況に対応して,病院医療を中心とする医療機能の分化・連携と在宅医療を含む地域包括ケアとを総合的に展開しようとするものといえるが,特に在宅医療を含む地域包括ケアについては,団塊の世代が後期高齢者となる2025年にむけては時間が少ないことから,戦略的な展開が望まれる.
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