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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生78巻2号

2014年02月発行

文献概要

特集 予防接種

ポリオ根絶に向けた世界の現状と不活化ポリオワクチンの導入

著者: 中野貴司12

所属機関: 1川崎医科大学小児科学 2川崎医科大学附属川崎病院

ページ範囲:P.109 - P.115

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はじめに

 定期予防接種の対象疾患であるポリオについては,それまで使われていた経口生ポリオワクチン(oral poliovirus vaccine;OPV)に代わって,2012年9月に不活化ポリオワクチン(inactivated poliovirus vaccine;IPV),同年11月にはDPT(Diphtheria, Pertussis, Tetanus)との混合製剤である四種混合ワクチン(DPT-IPV)が導入された.

 ポリオウイルス感染症に対する特異的な治療法はなく,ワクチンの開発は人類が長年待ち望んだ夢であった.生・不活化共に,極めて有効で安全なワクチンと位置づけられ,ポリオは代表的なワクチンで予防することが可能な疾患(vaccine-preventable disease;VPD)である.また,これらワクチンの導入と変遷の国内外での過程は,私たちに予防接種に関するさまざまな示唆を与えてくれる.さらに,ワクチンにより病原体を完全に封じ込める目標として,天然痘に次いでポリオ根絶への達成が期待される.

参考文献

1)中野貴司:序(ミニ特集:不活化ポリオワクチン).小児科臨床65(11):2277-2280, 2012
2)上田 哲:根絶.社会思想社.1967 (全文公開http://www.geocities.jp/hokukaido/konzetu/e-mokuji.htm)
3)中野貴司:新しく国内に導入された不活化ポリオワクチン.医薬ジャーナル49(8):1925-1934, 2013
皮下注の有効性と安全性(ミニ特集:不活化ポリオワクチン).小児科臨床65(11):2289-2296, 2012
皮下注シリンジ)(ミニ特集:不活化ポリオワクチン).小児科臨床65(11):2297-2306, 2012
皮下注シリンジ)(ミニ特集:不活化ポリオワクチン).小児科臨床65(11):2307-2317, 2012
7)Vidor E, et al:Poliovirus vaccine―inactivated. Vaccines. Plotkin SA, et al ed(6th ed). Saunders Elsevier, Philadelphia. pp573-597, 2012.
8)中野貴司:不活化ポリオワクチンの効果と安全性;2012年9月導入.医学のあゆみ242:601-603, 2012
9)厚生労働省:第3回不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会(平成24年4月23日)資料.http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002935e.html
10)平成23-25年度厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)「予防接種に関するワクチンの有効性・安全性等についての分析疫学研究(主任研究者:廣田良夫).平成24年度総括・分担研究報告書.2013年3月
11)厚生労働省:第3回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会(平成25年7月19日)資料.http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036w4i.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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