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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生78巻2号

2014年02月発行

文献概要

連載 この人に聞きたい!・11

花粉症治療最前線―スギ・ヒノキ花粉飛散状況の変化と新たな治療戦略について

著者: 大久保公裕1

所属機関: 1日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野

ページ範囲:P.116 - P.120

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はじめに

 アレルギー性鼻炎は喘息やアトピー性皮膚炎と同じアレルギー疾患であるが,唯一の純粋なI型アレルギー疾患であり,治癒が難しいうえに,重症化しQOLの低下を生じさせる.このため治癒とコントロールによって患者のQOLや生産性を低下させないことが,重要である.近年ではこのアレルギー性鼻炎の中でも罹患率が高く,重症化するスギ・ヒノキ花粉症が問題になっている.現在のスギ・ヒノキ花粉症の特徴としては,①飛散数の増加,②飛散季節の延長,③ヒノキ飛散の影響の増加,④罹患人口の増加,⑤ガイドライン改訂による治療法の選択の幅の増加,⑥舌下免疫療法の適応,などが挙げられる.

 スギ・ヒノキ花粉症の現在の問題点は大まかに分けると,「花粉飛散数の増加と罹患人口の増加」,「治療の進歩」に分けられる.実際のデータは少ないが,これらに関して考えてみたい.

参考文献

1) 荒木英斉:花粉症の研究,Ⅱ.花粉による感作について.アレルギー10:354-370, 1961
2) 堀口申作,他:栃木県日光地方におけるスギ花粉症,Japanese cedar pollinosisの発見.アレルギー13:16-18, 1964
3) 西端慎一,他:東京都におけるスギ花粉症有病率:東京都花粉症対策検討委員会の平成8年度実態調査から.アレルギー48(6):597-604, 1999
4) 馬場廣太郎,他:鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)―耳鼻咽喉科医とその家族を対象として―.Progress in Medicine 28(8):2001-2012, 2008
5) 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症,2013年度版(改訂第7版).ライフサイエンス,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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