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特別寄稿
未来図を描く公衆衛生活動in陸前高田④【最終回】―公衆衛生は触媒産業
著者: 佐々木亮平1 岩室紳也2
所属機関: 1岩手医科大学 いわて東北メディカル・メガバンク機構 2公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
ページ範囲:P.188 - P.192
文献購入ページに移動この原稿が出る頃には発災から3年近くが経過し,遅れているとはいえ,住宅再建,復興住宅の建設が進んでいる.現地では復興住宅はいつ完成するのか.基幹病院である岩手県立高田病院はいつ,どこにできるのか.市の保健福祉総合センターはどこにでき,どのような機能を持つのかなど,住民や関係者が注目しているさまざまな事柄がある.一方で被災地におりる予算も一見潤沢のように思われがちだが,決して現地の実情に合致したものではない.
これからさらなる人と予算が必要となってくるが,東北の被災地ではそもそもマンパワーが不足している.そのうえ,被災地への財政的な支援は恒久的なものではないため,人を雇用するにしても非常勤,期限が限られた措置や予算となり,被災者の方々が自分自身の生活を復興させようとした時に1~数年先に雇用を切られてしまう職に就かないというのは当然の選択である.国が長期的な展望に立った予算措置ができないことが復興を遅らせていると言っても過言ではないのではないだろうか.そのような状況でも被災地では日々,できるところからさまざまな分野,角度の取り組みが展開されている.
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