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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生78巻4号

2014年04月発行

文献概要

連載 衛生行政キーワード・94

自殺対策

著者: 伊東千絵子1 河嶌譲1 江副聡1

所属機関: 1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

ページ範囲:P.288 - P.290

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世界的な動向

 WHO(世界保健機関)によると,世界では低中所得国を中心に毎年約100万人が自殺で亡くなっている1).自殺は,世界で15~34歳における死因の上位3要因の1つであるほか,疾病負荷においても5位2)と,社会に与える影響は大きい.WHOは,自殺は予防可能な公衆衛生上の問題であるとして,科学的根拠を踏まえた,革新的で包括的な協働アプローチの必要性を指摘している.2013年5月の第66回WHO総会においては,「精神保健行動計画2013-2020」3)が承認されたが,その目標の1つに2020年までに世界の自殺死亡率を10%減少させることを挙げ,保健や精神保健以外を含む多くのセクターとの連携による効果的な活動が必要と述べている.また,2013年12月16日・17日に日本で,世界各国から参加する世界自殺レポート会議を開催し,2014年9月10日の世界自殺予防デーに,日本の自殺対策の紹介も含めた初めての世界自殺レポート(World Suicide Report)を刊行する予定となっている.

参考文献

1)WHO Suicide Prevention(SUPRE). http://www.who.int/mental_health/prevention/suicide/suicideprevent/en/index.html
2)Whiteford HA, et al:Global burden of disease attributable to mental and substance use disorders:findings from the Global Burden of Disease Study 2010. Lancet 382:1575-1586, 2013
3)World Health Organization:Mental health action plan 2013-2020. http://www.who.int/mental_health/publications/action_plan/en/index.html
4)内閣府:「平成25年版自殺対策白書」.平成25年7月20日発行
5)警察庁統計:「平成25年の月別の自殺者数について(12月末の速報値)」.平成26年1月16日
6)警察庁統計:「平成24年中における自殺の状況」.平成25年3月14日
7)厚生労働省:平成24年人口動態統計(確定数):上巻5-17「性・年齢別にみた死因順位」.平成25年9月5日
8)内閣府:「自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~」.平成24年8月28日閣議決定. http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/taikou/pdf/20120828/honbun.pdf
9)厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究「心理学的剖検データベースを活用した自殺の原因分析に関する研究(代表者:加我牧子)」平成21年度総括・分担研究報告書.2010年6月15日公開
10)Ono Y, et al:Effectiveness of a multimodal community intervention program to prevent suicide and suicide attempts:a quasi-experimental study. PLoS One 8(10):e74902, 2013. http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0074902

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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