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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生78巻5号

2014年05月発行

文献概要

特集 NCD(非感染性疾患)対策

わが国の非感染性疾患(生活習慣病)対策の歩みと今後の展望

著者: 岡村智教1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学

ページ範囲:P.312 - P.316

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はじめに

 昭和20年代後半以降,結核による死亡が大きく減少し,わが国の死因として当時,成人病と言われたがん(悪性新生物),脳血管疾患,心疾患などの占める割合が大きくなった.特に脳卒中は1965年をピークとして,1981年にがんに抜かれるまで死亡原因のトップを占めていた.また胃がんは,男性では1993年に肺がんに,女性では2003年に大腸がんに死亡率1位の座を譲るまで戦後長くがん死亡の1位を占めた.以上のような背景から,わが国の成人病対策はまずがんと循環器疾患というこの2つの疾患を検診(健診)で克服しようという動きから始まった.その後,成人病が発症要因に焦点を当てた「生活習慣病」という名称に変更されてからもこの健診重視の考え方は残り,その後,紆余曲折を経て一次予防や生活習慣の改善にも重点を置く今日の対策にたどり着いた.なお国際的に使われている非感染性疾患(non-communicable disease;NCD)と生活習慣病は必ずしも同義ではないが,ここでは生活習慣病対策の歩みとして記述する.

参考文献

1)岩崎有良:わが国の胃癌スクリーニングの歴史と将来展望.臨牀消化器内科23(3):303-312, 2008
2)今村剛,他:心血管病の時代的変遷とそれにかかわるリスク因子.久山町研究2009 Update.医学のあゆみ228(4):267-271, 2009
3)嶋本喬,他編:地域における循環器疾患の疫学研究と予防対策の発展.日本公衆衛生協会,2007
4)谷垣正人:高知県野市町における脳卒中予防対策の効果と問題点.日本公衛誌33(11):665-677, 1986
5)厚生労働省編:平成25年版厚生労働白書 資料編.厚生労働省,2013
6)Komoto S, et al:Effect size and cost-effectiveness estimates of breast and cervical cancer screening reminders by population size through complete enumeration of Japanese local municipalities. BMC Public Health 14(1):43, 2014
7)岡村智教:市町村における特定健診未受診者の実態調査と受診率向上のための戦略(2).受診率向上を目的とした地域介入の試み.週刊国保実務2716:35-39, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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