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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生78巻5号

2014年05月発行

特集 NCD(非感染性疾患)対策

わが国のNCDリスクにかかわる研究体制と対策の現状

著者: 今野弘規1 丸山皆子1 磯博康1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座公衆衛生学

ページ範囲:P.324 - P.330

文献概要

はじめに

 わが国のNCD(non-communicable disease)リスクに関する疫学研究は,戦後の米国を中心とした冠動脈疾患の疫学研究に対して,日本,特に東北地方で多発し,国民病と言われた脳卒中と高血圧に関する実態調査とその予防対策とともに発展してきた.それらを通じて,生活環境や生活習慣が欧米とは異なる日本人独自のエビデンスが蓄積されてきた.近年は,循環器疾患のみならず,がんや糖尿病を研究対象にしたコホート研究や,10万人規模の多施設共同によるコホート研究や統合研究がわが国でも行われるようになった.そこで,本稿の前半では,わが国で行われているNCDリスクに関するコホート研究や統合研究について概説する.さらに,後半では,平成25(2013)年度に開始したNCDリスクに対する初の大規模な地域介入研究となる厚生労働科学研究「生活習慣病重症化予防のための戦略研究」の概要を紹介する.

参考文献

1)小町喜男:循環器疾患の変貌―日本人の栄養と生活環境との関連.保健同人社,1987
2)Rockhill B, et al:Use and misuse of population attributable fractions. Am J Public Health 88(1):15-19, 1998
3)Imano H, et al:Trends for blood pressure and its contribution to stroke incidence in the middle-aged Japanese population:the Circulatory Risk in Communities Study(CIRCS). Stroke 40(5):1571-1577, 2009
4)玉腰暁子,他:日本における地域住民対象中高齢者コホート研究の現状とゲノム時代の新たなコホート研究構築に向けての提言.保健医療科学61(2):155-165, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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