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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生78巻5号

2014年05月発行

文献概要

特集 NCD(非感染性疾患)対策

わが国のがん検診の現状と展望―諸外国の動向との比較

著者: 祖父江友孝1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科環境医学

ページ範囲:P.337 - P.341

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はじめに

 2006年にがん対策基本法が成立し,2007年にがん対策推進基本計画・都道府県がん対策推進計画が策定されて,わが国においても,がん対策を総合的かつ計画的に推進する方向性が示された.2002年にWHO(world health organization)も国家的がん対策プログラム(National Cancer Control Programmes)の推進を提唱している(WHO, 2002).その目的は,第1に,がんの罹患率と死亡率を減少させること,第2に,がん患者とその家族のQOL(quality of life)を向上させることである.この2つの目的を達成するため,予防・早期発見・診断・治療・終末期ケアからなる一連のがん対策において,証拠に基づいた戦略を系統的かつ公平に実行し,限られた資源を効率よく最大限に活用することが求められる.がん検診は,がん対策の中でがん死亡率を減少させるための重要な方策の1つである.本稿においては,わが国におけるがん検診の経緯と現状,欧米における状況との比較,今後の方向性について概説する.

参考文献

1)久道茂編.がん検診の適正化に関する調査研究事業「新たながん検診手法の有効性評価」報告書.(財)日本公衆衛生協会,2001年3月
2)平成16年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班(主任研究者 祖父江友孝):「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」2005年3月
3)平成17年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班(主任研究者 祖父江友孝):「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」2006年3月
4)平成18年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班(主任研究者 祖父江友孝):「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン」2006年9月
5)平成19年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班(主任研究者 濱島ちさと):「有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン」2008年3月
6)平成20年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班(主任研究者 濱島ちさと)平成21年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の評価とあり方に関する研究」班(主任研究者 垣添忠生):「有効性評価に基づく子宮肺がん検診ガイドライン」2009年10月「科学的根拠に基づくがん検診推進のページ」(http://canscreen.ncc.go.jp/index.html)
7)OECD:http://www.oecd.org/health/health-systems/oecdhealthdata.htm
8)Cancer Facts & Figures 2013 in the Republic of Korea(page 57)http://www.ncc.re.kr/english/infor/cff.jsp
9)がん対策推進基本計画〈平成24年6月〉http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_keikaku.html
10)U.S. Preventive Services Task Force/ Grade Definitions http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/uspstf/grades.htm

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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