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映画の時間
―生命のつながりに起きていること―みつばちの大地
著者: 桜山豊夫
所属機関:
ページ範囲:P.364 - P.364
文献購入ページに移動ミツバチというと,まず思い浮かべるのは蜂蜜です.舞台はスイスの山岳地帯へ移ります.フレッド・ヤギーは代々続く養蜂家の家系です.養蜂業を継ぐ気はなかったようですが,父親から「家業を継がないのであれば,ミツバチを処分する」と告げられ,「処分するくらいなら自分が継がなければならない」と考えたと言います.養蜂は手間のかかるたいへんな仕事だろうと思いますが,冒頭の美しいミツバチを観たあとの観客は,フレッドの選択を納得できるでしょう.イムホーフ監督の上手な展開だと思います.フレッドは在来種のミツバチを使った伝統的な養蜂にこだわっています.それぞれの土地には,その土地に適した種が存在しているはずだという考え方は,ミツバチだけのものではないでしょう.
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