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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生78巻8号

2014年08月発行

文献概要

連載 公衆衛生Up-To-Date・19【最終回】 [東京都健康安全研究センター発信]

違法(脱法)ドラッグ―試験検査の現場から

著者: 守安貴子1

所属機関: 1東京都健康安全研究センター薬事環境科学部医薬品研究科

ページ範囲:P.575 - P.578

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 昨年(2013年)10月に,アロマリキッドと呼ばれる違法(脱法)ドラッグ(以下,脱法ドラッグ)を摂取した女性が亡くなる事件が大阪で起きました.また,今年2月には福岡で車が暴走,8台以上の車に次々と衝突し15人が重軽傷を負う事故,3月には東京で若者が自宅にいた父親や隣人に包丁で切りつけるという事件が,6月には同じく東京で車が暴走し7人が死傷する事故が起こりましたが,これらは,脱法ドラッグの1つである脱法ハーブの吸引が原因と考えられています.

 こうした脱法ドラッグの摂取,吸引による健康被害,交通事故や事件の発生は,近年新聞やテレビなどでも報道され,大きな社会問題として,皆さんの記憶にも新しいことと思います.

参考文献

1)日本薬局方解説書編集委員会編:第16改正日本薬局方解説書.C59-62,廣川書店,2011
2)Shulgin A, et al:TiHKAL-THE CONTINUATION. TRANSFORM PRESS, 1997
3)Shulgin A, et al:PiHKAL-A CHEMICAL LOVE STORY. TRANSFORM PRESS, 1990
4)Marsha M Lee:The Identification of Cathinone in Khat(Catha edulis):A Time Study. J Forensic Sci 40(1):116-121, 1995
5)Nakajima J, et al:Identification and quantitation of a benzoylindole(2-methoxyphenyl)(1-pentyl-1H-indol-3-yl)methanone and a naphthoylindole 1-(5-fluoropentyl-1H-indol-3-yl)(naphthalene-1-yl)methanone(AM-2201)found in illegal products obtained via the Internet and their cannabimimetic effects evaluated by in vitro[35S]GTPγS binding assays. Forensic Toxicol 29(2):132-141, 2011
6)Nakajima J, et al:Analysis of azepane isomers of AM-2233, AM-1220 and detection of an inhibitor of fatty acid amide hydrolase[3'-(aminocarbonyl)(1, 1'-biphenyl)-3-yl]-cyclohexylcarbamate(URB597)obtained as designer drugs in the Tokyo area. Forensic Toxicol 31(1):76-85, 2013
7)Uemura N, et al:Identification of a synthetic cannabinoid A-836339 as a novel compound found in a product. Forensic Toxicol 32(1):45-50, 2014
8)鈴木仁:東京都における違法ドラッグの分析.東京都健康安全研究センター年報64:11-30, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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