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特集 たばこ対策
タバコ規制と法制度
著者: 田中謙1
所属機関: 1関西大学法学部
ページ範囲:P.670 - P.674
文献購入ページに移動日本において,現在,タバコに対して何らかの規制をしている法律としては,「未成年者喫煙禁止法」(1900年策定),「たばこ事業法」(1984年)(もっとも,同法は,規制というよりはタバコを推進している面が強い悪の元凶である),「たばこ税法」(1984年),「労働安全衛生法」(1972年制定,1992年,2014年改正)などがあげられ,最近では,「健康増進法」(2002年)も策定されたほか,世界レベルの「たばこ規制枠組条約(以下,FCTC)」(2003年採択,2005年効力発生)も採択された.また,現在,多くの自治体で,いわゆる「路上喫煙禁止条例」(2002年以降,各地で策定)が策定されるようになったほか,神奈川県や兵庫県では,「受動喫煙防止条例」(2009年,2012年)が策定されている.このように見てみると,日本も一昔前と比べると状況はかなり変化したが,FCTCの趣旨を踏まえれば,日本においては,タバコに対する「行政的規制」のさらなる強化は必要不可欠である.
本稿では,「喫煙の自由」と「非喫煙者の権利」の内容を踏まえたうえで,「日本において,どのような行政的規制をすべきか」という視点から,タバコ規制をめぐる現行の法制度を踏まえつつ,「タバコ規制をめぐる今後の法制的課題」を提示することとしたい.
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