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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻11号

2015年11月発行

文献概要

投稿・活動レポート

自宅近隣環境の再認知による歩行時間を増やす試み—プラステンの実践支援

著者: 久保田晃生1 岡本尚己2 印鑰真人2

所属機関: 1東海大学体育学部生涯スポーツ学科 2東海大学大学院体育学研究科

ページ範囲:P.791 - P.794

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緒言
 2010年の健康日本21最終評価では,1日の歩数がベースライン値(1997年)より男女ともに約1,000歩減少し,国民の身体活動の低下が問題となっている.そこで,厚生労働省は,身体活動の増加支援のために,2013年3月に健康づくりのための身体活動基準2013(以下,身体活動基準)1)および,身体活動指針(以下,アクティブガイド)2)を公表した.また,アクティブガイドは,これまでの健康づくり運動に関する指針と比べ,身体活動促進の意識レベルを高めることを主として,発信する情報を最小限に抑え,毎日10分の身体活動を増やすことが強調されている(以下,プラステン).
 しかし,意識レベルを身体活動の促進への行動レベルに導くには,何らかの別の支援が必要であると考えられる.実際,行動科学的手法を用いた身体活動を促進する行動レベルの変容を促すプログラムも数多く行われているが,プラステンに焦点を絞ったプログラムはほとんど認められない.そこで,筆者らは自宅近隣環境を再認知させ身体活動の増加を支援したプログラムを基に3,4),プラステンの行動として,歩行時間を10分間増加させるプログラムを実践したので報告する.

参考文献

1)厚生労働省:健康づくりのための身体活動基準2013, 2013
2)厚生労働省:健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド),2013
3)河原賢二,久保田晃生:1日1,500歩増加させる身体活動支援プログラムの試行—歩数計を用いないプログラムの試み—.東海大学体育学部紀要43:11-17, 2013
4)河原賢二,久保田晃生:自宅周辺環境を利用した身体活動支援プログラムの効果.東海大学体育学部紀要44:39-44, 2014
5)村瀬訓生,他:身体活動量の国際標準化—IPAQ日本語版の信頼性,妥当性の評価—.厚生の指標49(11):1-9, 2002
6)水本篤,竹内理:研究論文における効果量の報告のために—基礎的概念と注意点—.英語教育研究31:57-66, 2008
7)齋藤義信:身体活動を促進する近隣環境要因の究明—神奈川県藤沢市在住の中高齢者を対象として—,慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科博士論文,2013
8)板倉正弥,他:運動ソーシャルサポートおよびウォーキング環境認知と身体活動・運動の促進との関係.体力科学54(3):219-227, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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