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Health in All Politics
著者: 佐藤眞一1
所属機関: 1千葉県衛生研究所
ページ範囲:P.818 - P.819
文献購入ページに移動秋田県井川町の町長,齋藤正寧氏が今年の1月5日に亡くなった.一昨年に見つかった肺がんを公表し,化学療法を続けながらも闊達に公務を進め,9期目の最後となる12月議会を滞りなく終えていた.正月休みに体調を崩し,再入院と聞いたばかりの耳に訃報が届いた.葬儀は新築された井川中学校体育館.今後小学校を統合し,町民体育館としての機能も果たす建物だ.日本初の認定こども園である町立井川こどもセンターは,隣接する介護保健施設との交流が盛んだし,webカメラで親族がいつでもこどもの様子を見ることができる.町とは町民であり,彼らの身体的・精神的・社会的な健康を,出生から死亡まで,途切れず支えることが行政だと,齋藤氏は行動をもって示してくれた.
井川町の健康づくり施策の成果は,CIRCS(Circulatory Risk in Communities Study)1,2)として報告してきた.少子高齢化が早くから進んだ農村部の町だから,社会保障費のウエイトも早くから増した.それでも周囲の町村より老人医療費の伸びを抑制できていること3),保健事業費が大きくても総費用は節約となっていること4)を示すこともできた.
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