公衆衛生79巻2号

2015年02月発行

特集 女性の健康を考える

女性のライフステージと健康

著者： 平島奈津子¹²

所属機関： ¹国際医療福祉大学三田病院精神科 ²国際医療福祉大学

ページ範囲：P.78 - P.81

文献概要

はじめに
　女性は，第二次性徴以降，周産期や更年期に代表されるように，ライフステージの重要な時期と，内分泌が大きく変動する時期が重なる．さらに，これらの時期は，女性にとって望むと望まざるとにかかわらず，種々の選択を迫られる分岐点となりやすく，それも男性とは異なる心身のストレスを女性にもたらす一因となっているように思う．
　本稿では，精神科医の視点から，さまざまなライフステージにおかれた女性たちの心身の健康について，いくつかトピックスをとりあげ，概説する．

参考文献

1)皆川邦直：青春期・青年期の精神分析的発達論—ピーター・ブロスの研究をめぐって—．小此木啓吾(編)：青年期の精神病理2．pp43-66，弘文堂，1980

edition)

3)平松祐司：若年女性のやせと低出生体重児．臨婦産64(9):1300-1305, 2010

4)Barker DJ, et al:Infant mortality, childhood nutrition, and ischemic heart disease in England and Wales. Lancet 327:1077-1081, 1986

5)堤誠司，他：女性のやせと次世代への健康影響．公衆衛生74(6):484-487, 2010

6)白川修一郎，他：周産期の睡眠障害—妊娠期を中心に．睡眠医療6(3):425-430, 2012

7)鈴木博子：妊娠期うつ病．上島国利(監)，平島奈津子(編)：治療者のための女性のうつ病ガイドブック．pp42-50，金剛出版，2010

8)Rasgon N, et al:Perimenopausal mental disorders:Epidemiology and phenomenology. CNS Spectr 10(6):471-478, 2005

9)細井孝之，他：女性のライフステージと医療的課題．日本医会誌138:881-893, 2009