文献詳細
特集 女性の健康を考える
文献概要
女性活躍推進の社会的気運の高まり
1986年の男女雇用機会均等法施行から28年が経過した.世代が一巡し,均等法世代のジュニア世代が労働市場に参入し始めている.この間,女性の働き方やキャリア形成に関して,大きな変化はなかったと総括できる.出産後も就業を継続する女性は少数派で,女性管理職の割合も低調である.日本の女性の活躍度は,国際的にみても凋落傾向にあり,女性の活躍を含むダイバーシティ(多様性)推進を企業戦略と位置付ける欧米企業のグローバル展開から,日本は周回遅れの感が否めない.
もちろん,この間の動きを振り返れば,1990年代の少子化対策,2000年以降のワーク・ライフ・バラス政策,近年のダイバーシティ戦略など,社会や企業を取り巻く構造変化を受け,女性が労働市場で活躍することにつながる重要な施策が進められてきた.一つ一つの地道な取り組みが,女性が活躍できる社会へという基盤を作ってきたことは確かである.しかし,トータルにみると,労働市場において女性が置かれている状況に大きな変化はみられず,仕事と家庭の両立問題,女性が働きにくい職場の状況,家庭における女性の過重な負担など,働き方をめぐって「古典的な」課題が山積しているのも事実である.
1986年の男女雇用機会均等法施行から28年が経過した.世代が一巡し,均等法世代のジュニア世代が労働市場に参入し始めている.この間,女性の働き方やキャリア形成に関して,大きな変化はなかったと総括できる.出産後も就業を継続する女性は少数派で,女性管理職の割合も低調である.日本の女性の活躍度は,国際的にみても凋落傾向にあり,女性の活躍を含むダイバーシティ(多様性)推進を企業戦略と位置付ける欧米企業のグローバル展開から,日本は周回遅れの感が否めない.
もちろん,この間の動きを振り返れば,1990年代の少子化対策,2000年以降のワーク・ライフ・バラス政策,近年のダイバーシティ戦略など,社会や企業を取り巻く構造変化を受け,女性が労働市場で活躍することにつながる重要な施策が進められてきた.一つ一つの地道な取り組みが,女性が活躍できる社会へという基盤を作ってきたことは確かである.しかし,トータルにみると,労働市場において女性が置かれている状況に大きな変化はみられず,仕事と家庭の両立問題,女性が働きにくい職場の状況,家庭における女性の過重な負担など,働き方をめぐって「古典的な」課題が山積しているのも事実である.
参考文献
1)武石恵美子(編著):国際比較の視点から日本のワーク・ライフ・バランスを考える.ミネルヴァ書房,2012
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