icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻2号

2015年02月発行

文献概要

特集 女性の健康を考える

性差医療

著者: 小宮ひろみ1

所属機関: 1福島県立医科大学附属病院性差医療センター

ページ範囲:P.93 - P.97

文献購入ページに移動
性差医療の概念
 2001年日本に初めて「女性外来」が開設され,以降急速に広まった.同時に「性差を意識したきめ細やかな医療」すなわち「性差医療」の概念も徐々に浸透してきた.日本における性差医療の先駆者である天野惠子医師1)は「性差医療とは男女比が圧倒的に一方に傾いている病態,発症率はほぼ同じでも,男女間で臨床的に差をみるもの,いまだ生理的,生物学的解明が男性または女性で遅れている病態,社会的な男女の地位と健康の関連などに関する研究を進め,その結果を疾病の診断,治療法,予防措置へ反映することを目的とした医療」と定義づけている.これまで,一部の疾患・病態でしか性差が意識されることはなかったが,「性差医学・医療」という切り口から,あらゆる疾患・病態を探究し,医学・医療に貢献することの重要性が認識されつつある.

参考文献

1)天野惠子:性差医療.学士会会報885:101-112, 2010
2)Brandt EN Jr:Some thoughts about women's health and its evolution. J Gend Specif Med 1(1):48-49, 1998
3)Healy B:The Yentl syndrome. N Engl J Med 325(4):274-276, 1991
4)鄭忠和,他:循環器領域における性差医療に関するガイドライン.Circulation J Suppl.Ⅱ 74:1085-1160, 2010
5)性差医療情報ネットワーク http://www.nahw.or.jp/
6)Yoshida-Komiya H, et al:Plasma levels of leptin in reproductive-aged women with mild depressive and anxious states. Psychiatry Clin Neurosci 68(7):574-581, 2014
7)堂本暁子,他:堂本暁子と考える医療革命—性差医療が日本を変える.pp46-100, 中央法規出版, 2009
8)Goto A, et al:Leveraging public health nurses for disaster risk communication in Fukushima city:a qualitative analysis of nurses' written records of parenting counseling and peer discussions. BMC Health Serv Res 14(1):129, 2014
9)天野惠子(研究代表者):女性外来と千葉県大規模コホート調査を基盤とした性差を考慮した生活習慣病対策の研究.厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 総合研究報告書.pp219-254, 2008〜2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら