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特集 女性の健康を考える
性差医療
著者: 小宮ひろみ1
所属機関: 1福島県立医科大学附属病院性差医療センター
ページ範囲:P.93 - P.97
文献購入ページに移動2001年日本に初めて「女性外来」が開設され,以降急速に広まった.同時に「性差を意識したきめ細やかな医療」すなわち「性差医療」の概念も徐々に浸透してきた.日本における性差医療の先駆者である天野惠子医師1)は「性差医療とは男女比が圧倒的に一方に傾いている病態,発症率はほぼ同じでも,男女間で臨床的に差をみるもの,いまだ生理的,生物学的解明が男性または女性で遅れている病態,社会的な男女の地位と健康の関連などに関する研究を進め,その結果を疾病の診断,治療法,予防措置へ反映することを目的とした医療」と定義づけている.これまで,一部の疾患・病態でしか性差が意識されることはなかったが,「性差医学・医療」という切り口から,あらゆる疾患・病態を探究し,医学・医療に貢献することの重要性が認識されつつある.
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