icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻2号

2015年02月発行

文献概要

特集 女性の健康を考える

女性の健康—産業保健の立場から

著者: 野原理子1

所属機関: 1東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学(一)

ページ範囲:P.105 - P.110

文献購入ページに移動
 女性の就業率が増加し,今後ますます女性の活躍が期待される中,働く女性が生涯にわたって健康を維持,増進していくためには,職域における環境整備が極めて重要である.職域における女性の健康管理を考える際,大きく二つの視点で考えると整理しやすい.一つは仕事(職場環境)による健康影響であり,もう一つは女性のライフサイクルによる健康影響である.
 一つ目のいわゆる職場環境は,危険有害業務や働き方の多様性など,まさしく産業保健分野が主体となって整備しなければならない課題である.一方,二つ目の女性のライフサイクルを考慮した職域での環境整備は,地域保健との連携により効率的で効果的に進めることができる.なぜなら,地域保健領域では,母子保健事業やがん検診など,地域の女性に対する様々な取り組みが既に推進されているからである.地域で行われている取り組みを職場が理解し,働く女性がそれらを利用しやすくする体制を整備することによって,すぐに女性に必要な支援を行うことができると考えられる.一つ目の視点は産業保健に特化していることから,本稿では主に二つ目のライフサイクルに関する職域での女性に対する健康支援策などと今後の課題,地域保健との連携について概説する.

参考文献

1)野原理子,他:女性労働者に必要な健康管理のあり方.産業保健21 67:4-6, 2012
2)一般財団法人女性労働協会webサイト:http://www.jaaww.or.jp/service/womans/index.html
3)相澤好治,他:産業医等産業保健スタッフのための働く女性の健康管理ハンドブック.働く女性の身体と心を考える委員会,女性労働協会,2005.http://www.jaaww.or.jp/service/womans/pdf/health_handbook.pdf
4)日本産業衛生学会就労女性健康研究会,他:男女労働者のための健康職場づくりチェックリスト,2008 http://plaza.umin.ac.jp/~wh/docs/checklist.pdf
5)野原理子,他:母性健康管理サイト—妊娠・出産をサポートする女性にやさしい職場づくりナビ.産業看護4(3):281-282, 2012
6)厚生労働省:国民のがん検診受診率50%超をめざす国家プロジェクトがん対策推進企業アクション2013年度版事業概要.http://www.gankenshin50.go.jp/pdf/pamphlet_2013.pdf
7)内閣府男女共同参画局:女性や子育てのニーズを踏まえた災害対応について.http://www.gender.go.jp/policy/saigai/pdf/saigai_21_1_2.pdf
8)全国知事会男女共同参画特別委員会災害特別委員会:女性・地域住民からみた防災施策のあり方に関する調査結果について(概要)—防災分野における男女共同参画の取組について—.http://www.nga.gr.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/3/11081219.PDF
9)NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ:女性の視点からの緊急時・復興への提言.http://homepage2.nifty.com/bousai/teigen2011.pdf
10)野原理子:"防災イツモカード"—職場で必要な家庭への配慮.医学のあゆみ239(2):186-188, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら