公衆衛生79巻2号

2015年02月発行

特集 女性の健康を考える

健康寿命の延伸と女性の健康

著者： 太田博明¹²

所属機関： ¹国際医療福祉大学臨床医学研究センター ²山王メディカルセンター・女性医療センター

ページ範囲：P.111 - P.115

　わが国の男女における健康寿命は世界一であり，世界に誇れるものである．これは生命寿命が長いことに加え，これらの高齢者，各個人が自立していることを意味し，高齢者の健康長寿は国家の活力源にも直結する．
　2005年にわが国の高齢化率は世界一となったが，それ以前の2000年から「健康日本21」では高齢化対策を始めていた．さらに10年経過した2012年，「健康日本21(第2次)」を施策するなど，超高齢社会におけるさらなる努力を行っている．この「健康日本21(第2次)」は，10年後の2022年を見据えて社会環境の整備・改善，生活環境の改善，生活機能の維持・向上を目指すものである．これらにより，主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防を図り，健康寿命の延伸と健康格差の縮小をエンドポイントとし，平均寿命の増加分を上回る健康寿命の延伸を国家的施策として提案している．

参考文献

1)Rowe JW, et al:Successful aging. Gerontologist 37(4):433-440, 1997

2)厚生労働省：平成22年国民生活基礎調査

3)厚生労働省：介護保険事業状況報告　月報

4)厚生労働省：平成22年度介護保険事業状況報告(年報)

5)Yoshimura N, et al:Cohort profile:research on Osteoarthritis/Osteoporosis Against Disability study. Int J Epidemiol 39(4):988-995, 2010

6)山本逸雄：骨粗鬆症人口の推定．Osteoporos Jpn 7:10-11, 1999

7)Orimo H, et al:Hip fracture incidence in Japan:estimates of new patients in 2007 and 20-year trends. Arch Osteoporos 4(1-2):71-77, 2009

8)Miyakoshi N, et al:Impact of postural deformities and spinal mobility on quality of life in postmenopausal osteoporosis. Osteoporos Int 14(12):1007-1012, 2003