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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻3号

2015年03月発行

文献概要

特集 男性の健康を考える

平均寿命における男女差の人口学的構造

著者: 綿引信義1

所属機関: 1国立保健医療科学院 国際協力研究部

ページ範囲:P.150 - P.154

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 わが国の平均寿命における男女差の動向を,戦後最初となる第8回(1947年)完全生命表から第21回(2010年)までみると,第8回の平均寿命は男50.06年,女53.96年,男女差が3.90年であった.第12回(1965年)は男67.74年,女72.92年,男女差が5.18年,第20回(2005年)は男78.56年,女85.52年と平均寿命が延伸し,男女差も6.96年と拡大した.第21回(2010年)は男79.55年,女86.30年となり,男女差が6.75年であった.最新の平成25(2013)年簡易生命表における平均寿命は男80.21年,女86.61年となり,男女とも80年を超えた.男女差は6.40年となり,縮小傾向にあるが,まだその差は6年台を維持している.
 一方諸外国について2014/2015年「国民衛生の動向」平均寿命の国際比較(表1)からみると,男女差が6年を超えている国の一つであるロシア(2012年)の平均寿命は男64.56年,女75.86年であり,男女差は11.30年と最も大きな値を示している.次に,韓国(2012年)の平均寿命は男77.9年,女84.6年,男女差が6.7年,フランス(2013年)においては男78.7年,女85.0年,男女差が6.3年,フィンランド(2013年)のそれも男77.8年,女83.8年,男女差が6.0年を示し,わが国と同様6年台となっている.男女差が小さい国としては,スウェーデン(2013年),アイスランド(2012年)が挙げられ,スウェーデンの平均寿命は男80.09年,女83.71年,男女差が3.62年,アイスランドのそれは男80.8年,女83.9年,男女差3.1年であった.

参考文献

1)小林和正:平均寿命延長の意義—1950年および1960年の日本人男子生命表の分析より.人類学雑誌70(3,4):163-174, 1963
2)高橋重郷:死亡の男女格差の人口学的分析.人口問題研究165:48-53, 1983
3)西田茂樹,綿引信義:わが国の平均寿命の男女格差について (1)近年の男女格差について.民族衛生62(3):127-138, 1996
4)綿引信義,西田茂樹:わが国における最近10年間の平均寿命の男女差について.公衆衛生研究45(2):139-149, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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