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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻3号

2015年03月発行

文献概要

特集 男性の健康を考える

男性更年期障害

著者: 辻村晃1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科

ページ範囲:P.166 - P.169

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 男性にも更年期症状が存在するという概念,すなわち「男性更年期障害」は2000年頃からマスメディアを中心に盛んに用いられるようになった.医学的な正式名称は,加齢男性性腺機能低下症候群〔late-onset hypogonadism(LOH)症候群〕であり,すでに診療の手引きも発刊されている1).本疾患の国際的な定義は「加齢に伴う血中男性ホルモンの低下に基づく生化学的な症候群」とされている.最近では,LOH症候群という名称でマスメディアに取り上げられることも増えてきた.ここでは,男性更年期障害をLOH症候群として解説する.
 LOH症候群は,性腺(精巣)の機能低下症,すなわち男性ホルモンの低下が病態の本質である.したがって,閉経という生理的変化に伴って女性ホルモン(卵巣性エストロゲン)が急激に低下することで生じる女性の更年期障害ととらえ方は全く同じである.つまり,女性の更年期症状である体のだるさ,ほてり,気分的な落ち込み,集中力の欠如,いらいら感など自律神経失調症的な不定愁訴は男性にも認められ,これらがLOH症候群の中心的な症状である.LOH症状の把握と男性ホルモンの測定がLOH症候群診療の鍵となる.

参考文献

1)日本泌尿器科学会・日本Men's Health医学会「LOH症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会:加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き.日泌尿会誌98:ガイドライン1-22, 2007
2)Nieschlag E, et al:Investigation, treatment and monitoring of late-onset hypogonadism in males. ISA, ISSAM, and EAU recommendations. Eur Urol 48(1):1-4, 2005
3)Tsujimura A, et al:Bioavailable testosterone with age and erectile dysfunction. J Urol 170(6):2345-2347, 2003
4)Morley JE, et al:Validation of a screening questionnaire for androgen deficiency in aging males. Metabolism 49(9), 1239-1242, 2000
5)Heinemann LAJ, et al:A new ‘aging males' symptoms rating scale. Aging Male 2(2):105-114, 1999
6)Tsujimura A, et al:Comparative study on evaluation methods for serum testosterone level for PADAM diagnosis. Int J Imp Res 17(3):259-263, 2005
7)Tsujimura A, et al:Change in cytokine levels after administration of saikokaryuukotsuboreito or testosterone in patients with symptoms of late-onset hypogonadism. Aging Male 14(1):76-81, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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