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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻4号

2015年04月発行

文献概要

特集 危険ドラッグ対策

危険ドラッグも視野に入れた薬物乱用防止教育のあり方

著者: 鬼頭英明1

所属機関: 1兵庫教育大学大学院 学校心理・発達健康教育コース

ページ範囲:P.250 - P.254

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 わが国で青少年の薬物乱用が問題となった背景には,覚せい剤乱用による検挙者数が1995年頃から増加に転じたことに端を発する.1996年,高校生による覚せい剤事犯検挙者数は220人に,1997年には中学生による覚せい剤事犯検挙者数が43人に至り,薬物乱用の低年齢化はまったなしの深刻な様相を呈するに至った.
 1997年に保健体育審議会でこの問題が指摘1)され,以後,学校教育では薬物乱用防止教育の充実が図られるようになった.政府は拡がる薬物乱用に対応するため,1998年に薬物乱用防止五か年戦略を策定2)し,目標を設定して様々な対策を進めてきた.五か年戦略は5年ごとに内容の見直しが行われ,2013年からは第四次薬物乱用防止五か年戦略(以下,第四次戦略と略す)がスタートしている3).こうした中,2014年から特に目立つようになったのが危険ドラッグ乱用の拡大であり,防止のための対応が急がれている.

参考文献

1)保健体育審議会:生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育及びスポーツの振興の在り方について(保健体育審議会答申).1997
2)薬物乱用対策推進本部:薬物乱用防止五か年戦略.1998
3)薬物乱用対策推進会議:第四次薬物乱用防止五か年戦略.2013
4)文部科学省:薬物等に対する意識等調査報告書.2013
5)和田清,他:飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査(2012年).平成24年度厚生労働科学研究費補助金「薬物乱用・依存等の実態把握と薬物依存症者に関する制度的社会資源の現状と課題に関する研究」(H23-医薬-一般-014)研究報告書.2013
6)(公財)日本学校保健会:喫煙,飲酒,薬物乱用防止に関する指導参考資料(小学校編,中学校編,高等学校編).2010,2011,2012
7)中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会:健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会これまでの審議の状況—すべての子どもが身に付けているべきミニマムとは?—.2005
8)文部科学省:小学校学習指導要領解説 体育編.東洋館出版社,2009
9)文部科学省:中学校学習指導要領解説 保健体育編.東山書房,2009
10)文部科学省:高等学校学習指導要領解説 保健体育編.東山書房,2010
11)文部科学省:生徒指導提要,教育図書.2010
12)(公財)日本学校保健会:薬物乱用防止教室マニュアル(改訂).2008
13)赤井育代:みんなで目指そう!!薬物乱用防止!! 健43:82-85, 2014
14)和田清:喫煙,飲酒,薬物乱用防止に関する指導参考資料研修会資料.(公財)日本学校保健会,2014
15)薬物乱用対策推進会議:危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策.2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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