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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻5号

2015年05月発行

文献概要

特集 死因究明制度の現状と将来展望

日本の法医学教育および死因究明制度の歴史

著者: 岩瀬博太郎123 石原憲治45

所属機関: 1千葉大学附属法医学教育研究センター 2千葉大学法医学教室 3東京大学大学院医学系研究科法医学分野 4京都府立医科大学法医学教室 5千葉大学大学院医学研究院法医学教室

ページ範囲:P.299 - P.303

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 わが国の死因究明の歴史を振り返ると,2本の大きな流れがある.一つは,すでに江戸時代に明確に行われていた中国伝来の「検使」であり,他方は蘭学として移入され明治時代に本格化した西洋由来の法医学である.わが国の死因究明は,従来型の検使から大学の法医学教室等における法医学への移行と位置づけられ,法医学の拡大・発展の歴史でもあるものの,いまだに,主流は警察が行う検視主体の死因究明であり,そのなかでは検使の伝統もいまだに残っていると言わざるを得ない.以下,順を追って考察したい.

参考文献

1)石山昱夫,和中年 監修(宋慈 著.許槤 著.石山昱夫,他訳):洗冤集録.洗冤録詳義.北京,群衆出版社,1990
2)山崎佐:明治前日本裁判医学史.日本学士院日本科学史刊行会編:明治前日本医学史,第5巻.日本学術振興会,1957
3)平松義郎:近世刑事訴訟法の研究.創文社,2004
4)相川忠臣:ポンペ・ファン・メールデルフォールト—近代西洋医学教育の父.ヴォルフガング・ミヒェル,他編:九州の蘭学—越境と交流,第4章.思文閣出版,2009
5)小関恒雄:警視庁裁判医学校略史.犯罪学雑誌46(2):57-65, 1980
6)小関恒雄:明治法医学編年資料断章(1)〜(7),補遺.日本法医学雑誌39(2)〜42(2), 1985〜1988
7)日本法医学雑誌編集部:片山國嘉先生御生誕100年並びに日本における法医学講座創設70周年記念式典.日本法医学雑誌13(3), 1959
8)新潟大学医学部法医学教室編:日本法医学会総会50回の歩み(1914〜1966).日本法医学会,1968
9)日本法医学会:日本法医学会総会75回記念誌.1991
10)中根憲一:我が国の検死制度—現状と課題.レファレンス673, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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