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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生79巻8号

2015年08月発行

雑誌目次

特集 公衆栄養への期待

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ページ範囲:P.509 - P.509

 健康づくりの三本柱(栄養,運動,休養)の中でも栄養は,各種疾病の原因や発症機序および治療法が不明であった時代からその重要性が認識されていました.例えば英国の結核死亡率は,コッホによる結核菌の発見(1882年)よりも前から減少傾向を示し,1840年頃から1960年代までの死亡率減少の大部分は抗結核薬の導入以前に達成されたものであり,死亡率減少の最大要因は栄養状態の向上であったと考えられています.
 近代の公衆衛生においても,栄養・食生活改善の重要性は高く認識されており,わが国では1960年代から「公衆栄養」という言葉が使われています.日本公衆衛生学会でも,1990年の総会から「公衆栄養」が分科会名に採用されています.2014年11月に開催された第73回日本公衆衛生学会総会(宇都宮市)においても,「公衆栄養」の分科会は演題数が多く,関連の教育講演(2015年版の食事摂取基準,高齢者の低栄養などがテーマ)およびシンポジウム(長寿を支える「健康な食事」などがテーマ)も盛況でした.

健康長寿を支えるための公衆栄養の科学と実践

著者: 佐々木敏

ページ範囲:P.510 - P.516

 食事改善は国民の健康を支えるための極めて重要な方策と見なされ,科学され,実践されてきた.20世紀半ばまでは栄養不足を中心とする時代であり感染症の時代であった.それが,20世紀後半に非感染性疾患(生活習慣病)の時代となり,わが国では深刻な食料不足がほぼ解決(または軽減)したこともあり,栄養問題は解決したかに見える.同時に,食品へのアクセスが向上し,栄養問題は「公衆」から「個」の時代に入ったようにも見える.
 しかし,これはごく一面からの偏った見方に過ぎない.生活習慣病は,(1)完治が期待できる治療法がほとんど存在しない疾患であり,(2)長年月のなかで徐々に進行する疾患であり,(3)その原因と考えられる栄養素は特殊なものではなく,ほぼ国民全員がほぼ毎日,一生にわたって摂取(=曝露)しているものである,そして,(4)特定の生活習慣病の原因と考えられる栄養素や食習慣のその疾患への影響力は比較的に小さい.

国民健康・栄養調査の重要性と活用

著者: 古野純典 ,   今井志乃 ,   瀧本秀美

ページ範囲:P.517 - P.520

 食物・栄養と身体活動はがん,動脈硬化性疾患,糖尿病などの非感染性慢性疾患の予防に極めて重要である.WHO(世界保健機関)は,非感染性慢性疾患の予防のための健康な食事を1日400グラム以上(5食以上)の野菜・果物,エネルギー総摂取量の10%未満のショ糖・果糖類(食品添加あるいは調理・食卓使用),エネルギー総摂取量の30%未満の脂肪摂取および1日5グラム未満の食塩と定義している1).さらに,飽和脂肪とトランス脂肪酸はそれぞれエネルギー総摂取量の10%未満と1%未満にすることを提言している.がん予防に関する国際的報告書でも野菜・果物と食塩について同様の指針が示されている(表1)2).これらの指針は多くの栄養疫学研究の結果,特にコホート研究のメタ分析の結果をもとにまとめられているが,適切な対策の企画と実施のためには地域の食物・栄養素摂取と身体活動をモニターすることが必要である.国民健康・栄養調査の結果は日本の健康政策に直結するものであるが,栄養疫学研究にも活用されてきた.国民健康・栄養調査の歴史と方法を概説し,最近の栄養学的課題について考察する.

健康長寿をめざした地域の食環境づくり

著者: 田中久子

ページ範囲:P.521 - P.525

 “食環境”という言葉は,健康日本21(栄養・食生活分野)において,行動変容を支援する環境づくり—環境レベル—の項に「人々の良好な食生活の実現には,食物や情報へのアクセスといった食環境面での整備が有効とされ…」で初めて公的に登場した1).そして,職域等における給食施設,レストラン,食品売場において,ヘルシーメニューの提供比率と,その利用者の増加など環境レベルの目標設定がなされた.その後,「健康づくりのための食環境整備に関する検討会」が設置(2003年11月)され,“食環境”は食物へのアクセスと情報へのアクセス,並びに両者の統合を意味する2)と定義された.
 健康日本21(第2次)の食環境においては,「食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業及び飲食店の登録数の増加」と「利用者に応じた食事の計画,調理及び栄養の評価,改善を実施している特定給食施設の割合の増加」を目標としている.

公衆栄養を基盤とした食育の推進—栄養表示・教育ツールとしての食事バランスガイド活用法

著者: 早渕仁美

ページ範囲:P.527 - P.532

 2005年には食育基本法1)が公布,日本版フードガイド「食事バランスガイド」2)も策定され,食育推進基本計画3)に基づく食育の推進が図られ,各地で様々な食育の取り組みが行われている.本学は公立の管理栄養士養成施設として,全国に先駆けて2003年秋,食育ボランティア学生ネットワーク「しょくぼねっと」を立ち上げ,関係学科と研究科の学生のほとんどが登録し,教員とともに実践活動を行っている.また,2008年に福岡県の食に関わる企業・団体・県や市と産官学連携で「福岡発食育&食環境整備ネットワーク」を発足させ,農林水産省食育推進モデル事業「食育五輪2008inふくおか」を実施,地域での取組優秀事例に挙げられ4),その後も継続して毎年6月に食育フェアを実施している.
 本稿では,上記一連の食育事例を通して,一般の人がさっと見て食事のバランスがわかる栄養表示ツール,および,楽しくわかりやすい教育ツールとしての食事バランスガイドの活用方法について紹介する.

高齢者の栄養・食生活に関する課題と今後の対策

著者: 新開省二

ページ範囲:P.533 - P.537

 高齢者,特に後期高齢者の増加により,高齢期特有の健康問題が全面に出てきている.その典型とも言えるものが,慢性疾病のみならず加齢による心身機能の変化の影響を強く受ける身体的フレイル(ロコモやサルコペニアを含む)と認知的フレイル(軽度認知障害や認知症を含む)である.その進行には栄養・食生活が深くかかわっており,いわゆる低栄養状態(以下,低栄養と略する)やそれをもたらす食生活が身体的あるいは認知的フレイルを促進している.
 人の成長,発達,老化のライフコースを通じて,適切な栄養は適切な身体活動とともに極めて大切である.しかし,これまで生活習慣病の予防という観点から,肥満,栄養の偏りや過剰摂取の弊害が強調されてきたあまり,高齢期の低栄養にはあまり関心が向けられなかった.しかし,前述したような理由から,超高齢社会では高齢者の低栄養に十分な注意が必要である.

地域包括ケアの充実に向けた在宅栄養管理

著者: 江頭文江

ページ範囲:P.538 - P.541

 地域包括ケアシステムは,高齢者が尊厳を保ちながら,要介護状態になっても,住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう,住まい,医療,介護,予防,生活支援が一体的に提供できる体制を指します.このシステムを構築するためには,高齢者に対する支援とそれを支える社会基盤の整備が必要であり,中でも栄養ケア・食支援は重要な意味をもちます.地域住民に対する栄養ケアには,特定保健指導や介護予防事業,通所施設での栄養改善事業,居宅療養管理指導,施設での栄養ケア・マネジメント,医療機関での栄養管理加算や栄養サポートチーム(NST)加算,外来・入院栄養食事指導等さまざまなものがありますが,中でも要介護状態にある高齢者の居宅での栄養ケアとして位置づけられているのは,介護保険の居宅療養管理指導です.

スポーツ栄養学の進歩と今後の展望

著者: 髙田和子 ,   田口素子

ページ範囲:P.542 - P.546

スポーツ栄養とは
 スポーツ栄養という用語には明確な定義がなく,どのような分野を対象とするかの考え方は幅広い.オリンピック選手やプロの選手が優勝時のインタビュー等で,食事に気を付けたことや栄養士のサポートを得たことを話す場面が稀にテレビで放映され,栄養士を目指す学生のスポーツ栄養への興味を強めている.スポーツ栄養がカバーする範囲の1つは,プロかアマチュアかを問わず,また競技レベルが国際大会を目指す者から市民大会や選手を目指すジュニア等どのレベルであっても,競技力向上を目指すための栄養であることは確かである.もう1つの分野は,健康の維持増進,体力向上あるいは疾病の予防や治療のために行われるスポーツと栄養との関係に関する分野である.
 競技力向上のためのスポーツ栄養では,特別な食品をとることで,筋力の増強や試合時のパフォーマンスが向上するイメージも強い.しかし,多くの場合,スポーツ栄養ができることは非常に地味であり,表1に示すような内容にまとめられる.これらの目的に達するために,食事の手配,環境整備,選手やスタッフへの教育等を他のサポートスタッフと共に実施する.スポーツ栄養が他の栄養指導等に比べ非常に実践しやすい面は,本人や他のスタッフを含め,目標が明確なことである.栄養の重要性が理解されれば,栄養改善のモチベーションも高い.一方で,栄養改善の効果は必ずしも,すぐに競技力に現れないために,理解をえることが難しい場面もある.

災害時の公衆栄養活動に関する課題と展望

著者: 小田雅嗣

ページ範囲:P.547 - P.550

 「食事」は,体に必要な栄養を補給するだけでなく,不安やストレス,疲労を解消する効果もある.過去の災害被災地報告から,温かい食事こそが健全な心身と心豊かなコミュニティをもたらしてくれる大切なものであることが確認されている1).このことから,行政の(管理)栄養士は自然災害等を中心とした健康危機管理時において常にこのことを意識して,必要な人に適切な食事が提供されるシステムを構築することが責務であると考える.
 本稿では,地域保健総合推進事業の研究班として健康危機管理時における栄養・食生活支援の必要性を訴え,2005年度から2012年度までの8年間にかけて検討を行い,2007年3月に「健康危機管理時の栄養・食生活支援ガイドライン」を作成したのをはじめとして様々なガイドラインを提供し,被災地での栄養・食生活支援活動等,保健所(管理)栄養士の役割の検証をしてきた結果について述べる.

視点

自殺対策における公衆衛生のリーダーシップ

著者: 本橋豊

ページ範囲:P.506 - P.507

自殺対策の現状と課題
 2006年に自殺対策基本法が成立してから今年で9年目になる.当時,日本全体の自殺者数が3万人を超える厳しい社会状況の中で,自殺対策は日本全体で取り組まなければならないという雰囲気が関係者の努力で醸成されていた.WHO(世界保健機関)が自殺問題を公衆衛生上の課題と位置づける文書を公表したのが2004年のことだったが,その時点での公衆衛生関係者の自殺対策への関心は高くなかったと記憶している.自殺対策基本法とこれに続く自殺総合対策大綱の策定は,自殺対策を公衆衛生上の課題という範囲を超えて,社会問題として対策に取り組むべき必要性を提示した.具体的に言えば,多重債務問題解決のための法整備や自死遺族支援のための枠組みの構築などである.
 公衆衛生関係者の自殺対策への取り組みは,まず精神保健の研究と実践から始まったが,自殺対策基本法の施行後は関連諸分野との連携を模索しながら,公衆衛生のアイデンティティを越える形で取り組みは進展していった.すなわち,うつ病や精神保健の課題に限定することなく,住民参加やエンパワメントなどのヘルスプロモーションのアプローチを広く用いて,民間団体・法曹関係者・学校関係者などと連携しつつ,地域や職場における自殺対策を推進していく枠組みができた.これと平行して,公衆衛生関係者は地域の自殺対策の介入研究を行い,総合的な自殺予防事業により農村部において自殺率が短期間に確実に減少することを明らかにした.今後は,このような自殺対策の成果を次の段階の政策展開にいかにつなげるかが問われているのである.

連載 リレー連載・列島ランナー・77

あれから8年—中越沖地震での体験から

著者: 堀井淳一

ページ範囲:P.551 - P.554

 この号が出るのは,2007年7月16日10時13分に発生した中越沖地震からちょうど8年が経った頃になります.その後,全く想像もできなかった規模の東日本大震災が起こり,津波被害や原発事故もあって,災害時の医療や公衆衛生活動のあり方が身近なものとしてより広く深く考えられるようになってきました.
 私は,2006〜07年度に柏崎保健所長として勤務し,中越沖地震の際に災害医療コーディネーターとして活動しました.特に訓練や経験を積んでいたわけではない私が特に大きな混乱なく調整できたことは,災害派遣医療チーム(DMAT)をはじめ医療チームや周囲の皆さんに支えていただいたおかげであり,本当に感謝しています.

[講座]子どもを取り巻く環境と健康・6

妊娠期化学物質曝露と母の栄養状態および次世代影響—特に母親の脂質への影響

著者: 那須民江

ページ範囲:P.559 - P.564

 妊娠期の生理は通常時と違うことを理解し,この生理的状況をかく乱しない化学物質環境にしなければいけない.その一例として代表的なプラスチック可塑剤のフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)の疫学研究と動物実験を紹介する.①妊娠期の後半に向けて,血中トリグリセリド(TG)や脂肪酸濃度が上昇する.②妊婦の主要な脂肪酸のパルミチン酸も妊娠後半に向けて上昇する.③しかし化学物質によっては,この上昇を抑えてしまうものがあり,この一例としてDEHPが挙げられる.④妊娠マウスにDEHPを曝露した場合も,疫学研究と同様にTGや脂肪酸の上昇が抑制される.⑤妊娠期化学物質曝露の次世代影響を考える場合には,母親の栄養状態に与える影響も加味することが必要である.

基礎から学ぶ楽しい保健統計・11

重回帰分析

著者: 中村好一

ページ範囲:P.566 - P.571

point
1.説明変数が1つの単回帰分析の説明変数を複数にしたものが重回帰分析である.
2.重回帰分析では説明変数として投入したすべての変数間の関係を調整した上で,それぞれの説明変数と目的変数との関係を推察することができる.
3.重回帰分析を含む多変量解析は万能ではない.
4.重回帰分析の特殊な形として共分散分析があるが,交互作用がない場合にしか使えない.

寄稿

高齢者就労に関する先行研究 その1—高齢者の就労が健康に与える影響

著者: 南潮 ,   藤原佳典

ページ範囲:P.555 - P.558

 超高齢社会が進展する中,高齢者の就労には減少する労働力人口の担い手として,また社会保障の受給者から納税者への転換といった点で社会からの期待が非常に大きい.本人にとっても社会的孤立の予防や心身の健康への寄与といったポジティブな面が指摘され,ひいては介護予防の効果を期待する声もある.本稿では2回に分けてこうした高齢者の就労に関する研究の現状と課題について先行研究をもとに概観し1),高齢者の就労支援のあり方について論考する.第1回は高齢者の就労が健康に与える影響について先行研究を総括する.
 そもそも高齢者の就労に関する研究ではその目的により,多くの領域の知見が必要とされる.労働政策と社会保障を検討する経済学をはじめとして,経営学,社会学,心理学,健康科学,社会福祉学,さらには,医学・産業衛生学といった諸領域から理論面・実践面での学際的な協力が必要である.その中で公衆衛生学においては,高齢者保健・地域保健における,社会参加・生きがいづくりの視点から就労が本人の健康にどのような影響を与えているかを明らかにするとともに,高齢者にとって望ましい就労支援のあり方を提示することが期待されている.

予防と臨床のはざまで

第88回日本産業衛生学会と健康教育・ヘルスプロモーション研究会

著者: 福田洋

ページ範囲:P.572 - P.572

 5月13〜16日に,車谷典男学会長(奈良県立医科大学地域健康医学講座教授)のもと,第88回日本産業衛生学会(大阪,http://convention.jtbcom.co.jp/jsoh88)が行われました.大阪駅近接の便利で新しいグランドフロントを会場に,全国から3,000人以上が参加,524演題の登録があり,どの会場も満員でした.テーマは「Quality of Working Life―グローバル化と労働形態多様化の中での展望」.企業活動は国境を越え,日本人が海外で働くことも,外国の方が日本で働くことも普通になりつつあります.また少子高齢化や健康格差のさらなる進行により,長時間を過ごす場である職域の環境と生活がさらに重要になっています.6月に韓国で予定されているICOH(国際産業衛生学会)のテーマが,“Global Harmony for Occupational Health:Bridge the World'”であることを考えると,国際時流にも合致したテーマと感じました.とてもすべての内容をダイジェストできませんが,参加したメインシンポジウム,教育講演,主催した健康教育・ヘルスプロモーション研究会を中心にインプレッションをお伝えします.
 メインシンポジウムA「平成時代25年間の産業保健の動向と今後の展望」では,山田裕一先生,伊藤正人先生を座長に,私自身も大変お世話になっている超重鎮の先生方による感慨深い講演が続きました.山田誠二先生からは労働安全衛生法の罰則規定の重さからその思想を考えるお話,三觜明先生からはTHPの歴史から今後求められる職域の健康づくりについて,大久保利晃先生からは学会専門医,医師会認定医,産業医科大学設立,厚生労働省の動きなどを時系列で触れながら産業医の資格制度の確立の経緯と将来展望について,東敏昭先生からは1.2ジクロロプロパン,石綿の例などをあげながら化学物質管理の経過と今後の課題について,時代と共に取り組まれた先生方でなければ話せない貴重なお話,スライドの連続でした.最後は演者が登壇してディスカッションの時間があり,今後の産業保健の方向性や求められる産業医の専門性についてのお話がありました.大久保先生から「産業医の専門性は何か?」に関して「マネジメント,アプライする専門家である」という発言があり,総合診療の分野でジェネラリストとして業務を行っている私にとって,非常に勇気付けられるお言葉でした.

映画の時間

—ラクダと愛犬とともに壮大なオーストラリア砂漠横断の旅へ—奇跡の2000マイル

著者: 桜山豊夫

ページ範囲:P.573 - P.573

 韓国でMERS(中東呼吸器症候群)患者が発生し感染の拡大が起こりました.中東地域では感染源としてラクダが疑われているようです.直接関係はないのですが,この夏,ラクダが出演する映画が2本公開されます.一つは2014年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた「夏をゆく人々」(8月22日より岩波ホールほかにて公開)と,もう一つが今号でご紹介する「奇跡の2000マイル」です.前者「夏をゆく人々」ではラクダは主役ではないものの,重要な脇役?として名演技をみせてくれますが,「奇跡の2000マイル」では,ラクダが主役級? の役割を果たしています.
 1975年のオーストラリア.若い女性,ロビンの独白から映画は始まります——.

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次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.575 - P.575

あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書 フリーアクセス

著者: 阿彦忠之

ページ範囲:P.576 - P.576

 本誌の特集テーマは各号で異なりますが,多くのテーマにおいて栄養・食生活面の課題があるため,公衆栄養関連の論文は,毎月のように何らかの形で掲載されておりました.今回は,公衆栄養の本道に立ちかえり,その重要性や最近のトピックをまとめて学べる特集となりました.
 本号を読み進めて,私なりには「公衆栄養とは,人々の健康と食をめぐる問題を地域社会の組織的活動や環境改善により解決し,健康長寿社会を実現するための実践科学である.」と理解しました.Winslowによる「公衆衛生」の定義をもじっただけですが,公衆栄養という実践科学は,公衆衛生およびWHOのヘルスプロモーション戦略の理念を踏まえた研究や活動が重要であることを再認識したところです.

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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